受験直前のピリピリ期 子どものやる気を引き出す声かけは?  成功・失敗体験談

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受験直前、緊張が高まるお子さまを気遣いながらも、「どう接したらよいかわからない……」とお悩みのおうちのかたも多いのではないでしょうか? そこで、大学生の皆さんに、保護者のかたから受験直前に言われてうれしかったことや嫌だったことを聞いてみました。お子さまとのコミュニケーションにぜひお役立てください。

声かけ成功! こんな言葉が子どものやる気を引き出しました!

保護者のかたが受験直前にかける言葉にはいろいろな思いが込められています。その思いがお子さまにストレートに届けば、 きっとやる気になってくれるはず……。
受験生だった先輩大学生は、どんな気持ちでその声かけを受け止めたのでしょうか? 先輩大学生に響いた声かけ例をいくつかご紹介します。

「勉強ばかりせずリラックスしてね」と言ってもらったことです。ごほうびのスイーツを買ってきてくれたのもうれしかったです。
(関西大 商学部 Y・Yさん)

どの科目が何点上がっただけでなく、「今日もがんばっているね」と、勉強している姿を見て、声をかけてくれることがうれしかったです。
(東京薬科大 薬学部 M・Mさん)

「自分で行きたい大学を決めていい」という言葉が心に残っています。学費の観点から、国立大をめざしていましたが、私立大を選んでもいいと言ってくれた時はうれしかったです。
(獨協大 経済学部 H・Kさん)

受験日数日前から、緊張とストレスで体調を崩してしまいましたが、母親から「こんなんでつぶれてたら人生この先長いんだよ。ばかたれ」となぐさめられるより怒られて、逆にすっきりしました。
(東北福祉大 総合福祉学部 Y・Sさん)

自分の勉強が足りておらず、受からないかもしれないと受験2週間ほど前から不安になりましたが、親に「実力からかけ離れた大学を受けるわけではないし、それだけ勉強して受からないとは思えない」と、はっきり言ってもらえたことで少し安心しました。
(奈良女子大  文学部 A・Uさん)

「いい点数が取れなくても、ぎりぎりでも最下位でも、合格には違いない」という言葉で、大学のボーダーに滑り込めばいいんだという気持ちになり緊張が和らぎました。
(三重大 人文学部 N・Kさん)

模試や本番の前に「がんばってきて」と毎回言ってもらえたのがうれしかったです。また送迎もしてくれたため負担が軽くとても助かりました。
(横浜市立大 国際商学部 A・Kさん)

高3の最後の三者面談の日、担任に「正直、厳しいから、専門学校も視野に入れてほしい」と言われました。でも、母が「本人にやる気があるなら自由にやらせてあげたい。一浪しても本人の意思を尊重したい」と言ってくれて、うれしかったです。
(秋田看護福祉大 看護福祉学部 Y・Oさん)

受験直前に不安になるお子さまに、叱咤激励したり、優しい言葉をかけたりと、保護者のかたはいろいろな声かけをされているようです。
また、声かけだけではなく、温かい飲み物や、ちょっとした軽食を出したり、いつもどおりに振る舞ってくれたりすることがありがたかった、という声も多くありました。

声かけ失敗!? こんな声かけ、NGだったかも……。

一方で、残念ながら思いが届かず、逆効果になってしまったという体験談も寄せられました。お子さまはどう感じていたのか、ご紹介します。

第1志望大に合格できるかどうかわからないという状況で、「別に落ちてもいい」と言われました。親は緊張をほぐす意味で言ったと思うのですが、かえって不快でした。
(北海学園大 経営学部 K・Nさん)

親のいない時に受験勉強をしているのに、テレビを見ていたら「余裕だね」って言われて腹が立ちました。
(東京音楽大 音楽学部 Y・Iさん)

共通テスト2週間くらい前の模試で、物理の点数がひどく、やばいと思っていました。そんな時、「そんな点じゃ受からない」「もっと勉強しなさい」と言われたのが嫌でした。
(愛媛大 工学部 K・Sさん)

1秒も時間を無駄にしたくなくて、移動中や外出先でも勉強道具を出していたら、「あんたここでも勉強すんの」と茶化すように言われ、少し嫌でした。
(関西大 法学部 T・Aさん)

自分が行きたいと思って決めた志望大なのに、「他の大学のほうがいいんじゃない?」と言われたことにはカチンときました。
(名古屋外国語大 現代国際学部 K・Tさん)

夏まで学校行事をがんばっていたことを、勉強していない期間(遅れ)として、「あのころ全然勉強してなかったもんねー」と何度も言われたのが嫌でした。過去は変えられないし後悔していないから、今がんばっている姿を見てほしい!
(広島大 経済学部 N・Oさん)

「早く寝なさい」と毎日言われました。早寝早起きがよいのはわかっていましたが、共通テストのあとに志望大を私立に変更したため、どうしても私立対策が必要でした。だから私のことを考えて言ってくれている言葉だとわかっていてもつらかったです。
(近畿大 文芸学部 Y・Hさん)

遠方の大学の入試を受ける時、不安だからついてきてほしいと言っても、「ピリピリしている人についていきたくない」と一緒についてきてもらえなかったのが嫌でした。
(金沢大 医薬保健学域 Y・Kさん)

お子さまはポロッとこぼれた保護者のかたの本音を、敏感に感じとります。
また、よかれと思った言葉が逆効果になることも。
たとえば、お子さまを応援する「がんばれ」という言葉も、お子さまによってはプレッシャーに感じる場合もあるようです。
お子さまを思う気持ちがきちんと伝わるよう、まずはお子さまの様子をよく観察してから声かけができるといいですね。

まとめ & 実践 TIPS

声かけで大切なのは、お子さまの様子をよく観察すること。そして、がんばっていることや不安な気持ちをちゃんと受け止めてあげることです。先輩大学生の体験談からも、お子さまに寄り添い、気持ちがちゃんと伝われば「うれしかった」「やる気が出た」というお子さまの様子がうかがえました。ご紹介した声かけを参考に、残り少ない時間を有意義に過ごせるようサポートしていけるとよいですね。

※2024年2月に行った進研ゼミ受講経験のある大学生向けアンケート(130人回答)に寄せられた体験談をもとに作成。

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