入試本番に向けてペースを整える 中3受験生
冬休みは志望校の過去問題や苦手克服などやるべき課題が多く、受験生にとって非常に大切な時期です。その一方で、生活リズムの乱れやすい時期でもあります。冬休み中もペースを保ち、受験勉強に集中できれば、それは大きな自信となることでしょう。
そこで今回は、有意義な冬休みにするため、保護者のかたに留意していただきたい点についてお話しします。
流されず、学習に「戻れる」ルールづくりを
年末年始の過ごし方については、「受験生でも、お正月くらい楽しまなくては」「受験生がいるのだから、お正月は縮小版にし、来客も断る」など、ご家庭によって考え方は様々だと思います。気をつけたいのは、「何となくおとそ気分に流されたまま」という状況にならないようにすることです。新年を迎え、初詣でに行くなどして気持ちをあらためるのは良いことですが、すぐに切り替えて学習に「戻れる」態勢をつくっておくことが大切です。
例えば「勉強を完全に忘れる日も必要」「決めた時間が来たら、自分から『勉強に戻る』と宣言する」など、お子さまによって様々な切り替え方法があると思います。あらかじめお子さまと話し合ったうえで、「元日はお休み、2日から勉強時間はふだん通りにする」、「年始の来客があっても、ご挨拶だけしたら『受験があるので』と宣言して学習に戻る」など、方針を決めておくと良いですね。
生活リズムはできるだけ「いつも通り」を目指して
大みそかは、年越しの瞬間まで起きていたくなるものですが、年末に夜更かしの癖がつくと、三が日を過ぎても朝なかなか起きられないということになりがちです。生活のリズムが乱れると学習ペースも乱れがちになるので、年末年始も、起床・就寝時間はできるだけいつもどおりを目指していただきたいと思います。「大みそかと元日は特別」とするとしても、三が日の間には元のリズムに戻したいものです。
大掃除は「机周りの整理」に絞る・優先するのがおすすめ
模擬試験等で間違えた問題の見直しは、速やかに弱点克服ができるのでおすすめです。模試の答案や解答解説はファイリングするなどして整理し、参考書やノートの類も、復習したいときすぐ取り出せるようにしておきたいもの。受験生でも、机周りの整理だけはするように、お子さまにすすめてはいかがでしょうか。必要なものがいつでもサッと取り出せるようにしておけば、探し物に時間を取られず、集中力もアップします。
保護者のかたも「マイペース」を守る工夫を
12月に受けた模試の結果が思わしくなかったため、「第一志望校を変えるべきだろうか」と悩んでいる保護者のかたもいらっしゃるかと思います。しかし、遅刻しそうで落ち着かないまま受けた、たまたま隣の人の様子が気になって集中できなかったなど、ささいなことで模試の成績は上下するものです。第一志望校は基本的に変えず、より合格可能性の高い併願校を受験するなどの対応を考えたほうがよいと思います。保護者のかたが気がかりに思うのは無理もないことですが、保護者が不安になると、その気持ちは子どもにも伝わり、学習に集中しづらくなってしまいます。
また、子どもがのんびり構えていてなかなか勉強に取りかからないので、見ていてイライラするという声もよく聞きます。しかし、ほとんどの場合、やらなければいけないことは本人がいちばんよくわかっているものです。「いい加減に始めたら?」「時間がないよ」などと口を出したくなっても、そこはぐっとこらえ、お子さまが自分からテレビを切り上げたとき、集中して勉強していたなと感じたときなど、良いタイミングを見つけて「頑張ったね」「もうひと頑張りだね」などとひと声かけるくらいがよいですね。
おおらかに構えるためには、気持ちの余裕も大切です。相談できる相手をつくる、あえて少しお子さまと離れ、運動や読書など、好きなことに集中する時間をつくるなど、ご自身のストレスを解消し、マイペースを守るための工夫も必要かもしれません。
(筆者:安田 理)