農業工学ってどんな学問?
世の中にはたくさんの学問があります。どんな内容で、何を学んでいくのか知っておくことは、自分の興味や関心の方向性を探れることはもちろん、進路を決めるために、大いに役立つでしょう。今回は「農業工学」を取りあげます。
農業工学とは?
農業工学は、農業の生産技術や生産環境の改良・改善や、機械化による農業経営の研究など、工学的手法により「農業」にアプローチする学問です。農業は自然や環境と密接な関係にあり、近年では環境・水質保全や地域資源の開発など、「人と自然との関係」を見つめ直すことについても研究が進められています。
農業工学ではどんなことを勉強する?
農業工学は、大きく以下の二つの分野に分かれます。
農業土木系…農地の整備や保全、かんがいや排水のための設備、水質保全などの研究を行います。地域資源の開発や農村における生活環境の整備など、「地域工学」としての側面も持っています。
農業機械系…施設栽培や植物工場などでの、安全で効率的な生産システムの研究を行います。先端技術を導入した機械の開発や、生産をコントロールする技術などについても研究対象となります。
農業工学の講義はどのように設定されているか
農業土木系では水利学、土壌物理学、農村計画学など、農業機械系では農産機械学、農業施設学、ロボット工学などの科目を履修します。いずれにおいても実験・実習が重視され、測量機器を使って測量したり、トラクターに乗って農作業をしたりと、企業や農家での実地体験の機会も多く設けられています。
同じ「農業工学」という名前でも、大学によってまったく違う研究をしていることもあります。学科名に「環境」とある学科において農業環境について研究している場合もあるので、自分の興味のある研究ができるかどうか、講義内容までしっかりチェックしておくとよいでしょう。
農業工学を学んだ人々の卒業後の進路
農業機械を生産するメーカーのほか、農林水産業に関連する省庁の公務員や、建築や設計のコンサルティング会社、研究所などに就職する人が多いようです。最近では、海外技術援助の場で活躍する卒業生も増えています。
参考:
農業工学│ 学問・大学情報 | Benesse マナビジョン
http://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/learning/system/068/index.html