中学入試の国語 登場人物の心情をつかむための3つのポイントとは?
国語の物語の問題で、登場人物の心情をとらえられないという小6男子。「物語を広い目で読めていない」と悩む保護者に、人物の気持ちを読み取るコツを、平山入試研究所の小泉浩明氏がアドバイスする。
***
【保護者からの質問】
国語の物語で本文から心情をとらえることが苦手です。登場人物の心情を自分なりに解釈してしまうことが原因のようで、物語を広い目で読み、考えることができていません。どのように指導すればよいでしょうか?(小6男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
「自分なりに決め付けてしまう」としても、本文のどこかを根拠に心情を判断しているはず。本文のどの部分を、どんな心情ととらえたのかを確認してください。心情表現のとらえ方自体が誤っている場合は、その表現がどのような気持ちを表すのかを一つひとつ教えましょう。
根拠にしている箇所が誤っている場合は、本当はどこに着目すべきかを示す必要があります。傍線部が示されてその心情が問われる時は、次の3つに注目してください。
1. 傍線部の心情表現
2. 傍線部とその前後による文脈の流れ
3. 場面全体における文脈の流れ
1は心情をつかむための基本。2は文脈を読む作業。これができるようになると国語の点数が飛躍的に伸びます。たとえば、B君がA君の頭を「たたく」、そのあとでA君が「机に座ったままこぶしを握りしめている」とあったとします。そして「机に……握りしめている」に傍線が引かれ、その時の気持ちを問われたとしましょう。傍線部とその前の部分に注目すると、「腹を立てている」などが考えられるかもしれませんが、傍線部のあとにA君が「泣きながら教室を飛び出した」ら、「身動きがとれないほど怖がっている」との気持ちのほうが強かったととらえるのが妥当でしょう。
このように文脈を読むことに加え、物語では場面全体の状況の中で心情をとらえることが求められる場合もあります。論理的に心情をつかむことが重要なのです。
出典:登場人物の心情を自分なりに決めつけてしまい、物語を広い目で読み、考えることができない[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト