中学受験を目指す5年生の秋 成績の伸び悩みに保護者はどう対処?
中学受験を目指す小学5年生の中には、夏休みにがんばって勉強したのに、秋になって成績が思うように伸びずに落ち込む子どもがいる。2学期に入って急に学習内容が難しくなることも要因の一つだが、こんな時、保護者はどのように接したらよいのだろうか? 森上教育研究所の森上展安氏に伺った。
***
5年生の2学期になると、単元によっては、高校受験以上にハードな内容が入ってきます。ですから保護者のかたには、そもそもかなり無理なことをさせているのだという自覚を持っていただくことが大切です。「何ができたか」ではなく「何をしたか」、成績よりも、勉強に取り組んでいる子どもの努力そのものを評価してあげてください。
この時期は得意と苦手な単元がはっきりし、成績にばらつきが出るのは当然で、まったく心配はいりません。算数で偏差値60がとれるのに、社会は40といった場合は、社会に興味がないか勉強していないだけ。やればできるようになりますので、「なぜできないの」などと追及すべきではありません。
何週間も成績の悪い状態が続く場合は、学校や塾で人間関係のトラブルがないかどうか、よく気を付けてあげる必要があります。成績は、気持ちのバロメーターでもあるのです。気持ちが落ち込んでいたら、好きなおやつを用意したり、「来週はここへ行こう」と楽しいおでかけを計画したりして、気持ちを引き立ててあげましょう。
この時期は保護者も疲れ始め、何事も深刻に考えがちです。必死な母親と無関心な父親など、受験に対する両親の温度差も表面化しやすくなりますが、あまり温度差が大きいと子どものストレスにつながります。保護者のかたも、疲れたら数日間は受験のことを忘れ、思い切り息抜きすることも必要かもしれません。まだ入試は1年以上先ですから、あえてどーんと構えていただきたいと思います。
出典:成績の伸び悩み、どう対処する?[中学受験 5年生] -ベネッセ教育情報サイト