志願者数も倍率も当てにならない!? WEB出願時代の志望校選定テクニック
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出願手続きの簡便性に加え、複数学部での併願が可能になる「WEB出願」や「複数学部併願」は、ここ数年の大学入試の大きなトレンドだ。しかしメリットがある一方で、志望校選びでの落とし穴になることも? ベネッセ教育総合研究所の村山和生氏に伺った。
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近畿大学の「近大エコ出願」や東洋大学の「ネット出願」、日本大学の「N方式第1期」、法政大学「T日程入試」など、「WEB出願」や「複数学部併願」が可能になる大学は増加の一途をたどっています。また、「WEB出願」「複数学部併願」に「受験料割引」をセットにしている大学も多く、受験のしやすさから志願者数の大幅な増加にもつながっています。
こういった制度は受験生へのメリットは大きいですが、注意すべきこともあります。志願者数や倍率が、必ずしも難易度とはリンクしなくなっているのです。大学側が公表している志願者数は、あくまで「のべ数」(たとえば、1人の受験生が3つの学部を併願した場合、志願者数は3人とカウントされる)。現実の実受験者数(前述の例でいえば、3つの学部へ願書を出した人の数=1人)は、必ずしも増えていない大学もあるようです。ですから、志願者数や倍率が大幅にアップしていたとしても、難易度はほとんどアップしていなかった、といった場合もあるのです。
実際の志願者数や倍率が見えにくくなっている現在、志望校を決める時には、志願者数や倍率だけで安易に判断するのは危険です。大事なのは、実際に必要な学力や、過去にどんな先輩たちが合格したかなど、高校の先生からアドバイスを受け、実際の難易度を検討すること。倍率が跳ね上がり無理だと思っていた大学が、実は意外と手が届くとわかることもありますし、もちろん、その逆もしかりです。そのうえで、複数学部に出願するのであれば、出願するすべての学部の内容を吟味してください。出願にあたっての煩雑さが軽減されているのですから、その分、学部ごとの授業内容や身に付くスキルなどを確認する時間が生み出せるはずです。この時期に「どの学部に進学しても、それぞれに学びたい内容が明確になっている」というレベルにまで志望校の内容理解ができていれば、これから先の学習効率もぐっと高まります。
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