国語の要約問題 受験の専門家が語る攻略のコツとは?
物事を要約し相手に伝える……いわゆる“要約力”は、大人になっても問われる力のひとつ。「国語の解答を作成する際に、うまく要約ができない」という小5男子の保護者の悩みに、平山教育研究所の小泉浩明氏がアドバイスする。
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【質問】
国語のテストでは、問題文の内容を頭ではおおよそ理解しているようなのですが、解答を作成する際、要約して文章にすることができません。家庭でも「何が書いてあった?」と聞くと、「〇〇の話」くらいしか返ってこないので、「もう少し細かくして」と言うと、今度はダラダラと登場人物から時間の流れから、ほぼ全部のお話を読むくらいの勢いで話し始めます。(小5男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
物語文でしたら、「誰が」「何を」「どうした」などとあらすじを追っていけば要約文になりますが、字数制限があると大切なところを抜かしてしまう可能性はあります。どこが大切かわからないと、まとまりのない要約文になりますから、まずは大切な箇所を見つけるところから始めます。
さて、そのような物語文を読む場合に心がけたいことは、「何が変わったのか」ということです。「変わるもの」としては、登場人物の「気持ち」や「人間関係」です。“弱い気持ちの主人公が強くなる”とか、“仲の悪い兄と弟が兄弟愛に目覚める”という変化です。
次に大切なことはなぜ変化したのかという「理由」です。そして、その理由は本文に書いてあるはずですから、きっかけになった箇所を見つけ出しましょう。これらのものを見つけ出したら、あとはまとめるだけです。
最後にひとこと。これはよくいわれることですが、どんなに長い物語でもその内容は一文にまとめられるものです。字数としては、30~40字くらいが目安でしょうか。「○○○の物語」と短くまとめることで、その物語を本当に理解できたといえます。お子さまも問題文を読んで解くだけではなく、「○○○の物語」と一文でいえるような練習を繰り返しましょう。物語文の読解力が、グッと伸びると思います。