答えのヒントは文中にある! 読解問題を解くコツを専門家が伝授
国語の物語文の読解が苦手という子どもは少なくないだろう。平山入試研究所の小泉浩明氏に、読解問題を解くコツについて教えていただいた。
***
国語はひとつコツがつかめるとどんどん伸びていく科目です。物語文の読解問題が出た場合、答えを導くためのヒントは、読む人のために筆者が残してくれていることが多いのです。
ある保護者のかたから次のような質問をいただきました。
「読解の問題ができません。文章中にたとえばAがBに意地悪をして、後ろめたい気持ちのままCと遊ぶ様子が書かれていて、Aの気持ちはどれか、という三択問題。(1)Cと遊べてたのしい(2)自分ばかり大変な思いをしていて嫌だ(3)後ろめたい気持ち、と並んでいても(1)を選びます。理由を聞くと、『だって結局遊んでいるんだから楽しい気分でしょ』とのこと。文章を読んで、人の気持ちをおもんぱかるということができないようです」。(小4男子の母親)
現実の生活でも「表情」「言葉の言い方」などが人の本当の気持ちを読み解くヒントになることはあります。読解問題の場合、問いとして出題されるのはまさにそんな箇所なのです。ということで、質問者さまが例に挙げた問題なら、「後ろめたい気持ちのままCと遊ぶ様子」があらわれている箇所を示して「ここにヒントがある」ということを教えてあげましょう。おそらく、どこかにヒントになる表現があると思います。
しかし、どう考えても推測できない問題や推測しづらい問題が出されている場合もあります。問題自体があまり練られていないということでしょう。そういった場合には、論理的に気持ちを確定できる根拠が本文にないのですから、答えはひとつではないということです。「この問題の場合は、君の答えでも正しいね」と言わざるを得ないでしょう。国語力を強化するためには、ちゃんと根拠のある問題を演習することが大切ですから、問題集を選ぶ際にはその点も注意が必要です。