中学受験の併願校選び、父親主導は反発を受けやすい!?

保護者が主導するケースも多い、中学受験の併願校選び。しかし森上教育研究所主宰の森上展安氏は、「子ども自身に決めさせることは、受験勉強のやる気を高めるだけではなく、入学後も前向きに学校生活に取り組めることにもつながる」と言う。そこで森上氏に、リスクの少ない併願校設定のコツと、保護者それぞれの役割についてアドバイスを伺った。

 

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【入学したかった学校(第一志望校)と志望校決定者】

入学したかった学校(第一志望校)と志望校決定者

 

グラフは、有名中高一貫校在籍者の保護者に、「入学したかった学校」と「志望校決定権者」についてアンケートを行い、誰に進学校の決定権があったかの結果をまとめたものです。

 

グラフを見ると、「1.ぜひこの学校(第一志望校)に入学したかった」の合計は全体の43.9%で、合格率としては高すぎる印象。特に、受験生本人に決定権がある場合の55.6%は極端に合格率が高く、受験生本人の「1.ぜひこの学校に入学したかった」には併願校が含まれている可能性があります。つまり、受験生本人の選定した場合は、第一志望校だけでなく、併願校も「1.ぜひこの学校に入学したかった」と考えていた可能性が大きいでしょう。
また、父親に決定権がある場合は、進学先が「1.ぜひこの学校に入学したかった」が14.3%となり、極端に低くなります。つまり、父親が決めた第一志望校に合格しても「2.もっと入学したい学校がほかにあった」ことになります。
子どもは、自分で決めたことには前向きになれますが、親には反発するのでしょう。特に父親への反発は強いようです。母親が決定する場合は、父親ほどの反発はありませんが、受験生本人と父親の中間値となっています。
つまり、志望校を子ども自身に決めさせることは、受験勉強のやる気を高めるだけではなく、入学後も前向きに学校生活に取り組めることにもつながるのではないでしょうか?

 

では、父親や母親が志望校を選定したご家庭で、併願校が進学先となった場合は、どうすればよいのでしょうか。
本来、志望動機は併願校選定時に設定させるべきですが、このケースでは、進学先の併願校に志望動機がないことになります。その場合は、後付けで志望動機を子どもに持たせてあげることになるでしょう。
進学先の志望動機は、子どもに考えさせるのがよいですが、親が反発を受けないように、併願校のよさを納得させて志望動機を持たせ、進学させなければなりません。グラフを見ると、母親が子どもに話したほうがリスクは少ないようです。また父親は母親に協力し、併願校によいところを見つけ、志望動機を分析してあげてください。
進学した学校でがんばれるようにしてあげることが大切です。

 

出典:併願校への進学における親の役割[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト

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