国語の記述問題 名文よりも「問われていることに答える」が重要
中学受験の国語の記述問題において、重要なのは「問われていることにしっかり答える」ということだという。平山入試研究所の小泉浩明氏はこう話す。
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「『問われていることに答えていない答案』はかなり多く見受けられます。答えるべき方向性がやや違う答案もあれば、『言いたいことはわかるけど……』といったものもあります。いずれにしても、考え方や目のつけどころが間違っていない場合は、≪非常に惜しい答案≫と言えるでしょう」
このような答案が多い生徒に対し、小泉氏の国語教師では以下のような指導をしている。
「まず、設問を音読させ、大切な箇所に線を引かせます。大切な箇所とは、『目的』と『条件』です。たとえば、“傍線部(2)『涙が出てきた』とありますが、『涙が出てきた』のはなぜですか。25字以内で説明しなさい”という問題であれば、“『涙が出てきた』のはなぜですか”に答えることが目的であり、“25字以内”が条件です。声に出して読ませたり、問いの大切な箇所に線を引かせたりすることで、何が問われているのかをはっきりさせます」
たとえば「涙が出てきた理由」が、「お母さんにひどく叱られてとても悔しかったから」だとする。この答案には、『相手(お母さん)』『理由(ひどく叱られて)』『答えの中心(とても悔しかったから)』『文末(から)』という要素があり、これらをいかにシンプルに集めるかが、良い答案を作るコツだという。
「もちろん、答案全体の構造や言い回しも大切ですが、何よりも問われていることに答えていなければ、いかなる名文でも点数はあげられません」(小泉氏)