親世代とかなり違う!? 高校入試の英作文「ネットで購入した商品の色が違ったとき、どう問い合わせるか」を書く問題も! 高校入試よく出る 傾向と対策(5)

小学校英語の導入、大学入試の変革、その間にある高校入試にも「教育変革」の潮流を感じます。今回は、各都道府県実施の高校入試で出題される「英作文」の頻出テーマから、「英作文」で求められる力の変化についても触れていきます。

この記事のポイント

2020年度入試に見る「英作文テーマ」

「英作文」と聞くと、与えられた日本語を英訳するいわゆる単純な「和文英訳」を想像しがちですが、ここ数年の各都道府県の高校入試を見ると、和文英訳の問題数は減少しています。また、過去の入試ではおなじみの出題だった「…について英文3文で書きなさい」といった、「自由英作文」も減少傾向にあります。

では、2020年度入試ではどのような英作文テーマが出題されたのか、以下の具体例を見てみましょう。

▼すべて2020年度入試より

(千葉前期)
インターネットで購入した商品の色が選んだものと違った際、購入した店舗に連絡したあなたがどのような発言をするか、場面を表すイラストを参考に書く問題

(大阪 A問題)
ホームステイ先のアメリカでバスケットボール観戦をする際、スタッフとの会話の場面で、場面と条件に合った英文を考えて書く問題。

(三重後期)
留学先の歓迎パーティー参加にあたっての挨拶文を、条件にしたがって書く問題

(岐阜)
留学生に送るメールの文面を、条件にしたがって書く問題

(長崎、静岡 など)
複数人の会話に参加している1人として、場面と条件に合った英文を考えて書く問題

(北海道 など)
複数人の会話に参加している1人として、条件とイラストに合った英文を考えて書く問題

(富山 など)
外国人教師からの英語の質問に対して、条件にしたがって自分の意見を書く問題

2020年度の入試は、多くの都道府県で過去の出題よりも具体的に場面が設定されていることが特徴です。例えば、「メール」や「インターネットで購入した商品への問い合わせ」、「留学先の歓迎パーティーでの挨拶文」など、英語でコミュニケーションをとる場面を設定とした問題となっています。また、そもそもこの設定や条件を読み飛ばしたり、勘違いしたりしてしまうと、文法的に間違いのない英文を書いても得点が伸びない可能性が高いのも特徴の1つです。

つまり、設定や条件に合わせた英作文を書くことができるか、という部分をこれまで以上に重視した問題が増加傾向にあります。

  • ■単純な「和文英訳」や「自由英作文」の問題は減少傾向にある。
  • ■一方で、場面の設定や与えられた条件を踏まえて、英語を正しく書く力を求める問題が増加。

「英作文」はより思考力が求められる傾向に

また、2020年度の例でも示しましたが、「自分の意見」や「会話に合ったあなたの発言」を一人称で考える問題も増加しています。
これまでの英作文では、登場人物に対して第三者的目線で答えることが通例でした。しかし、近年の入試問題からは「あなた」という人物が問題の中に登場する設定が見られます。また、表やイラストなどから、読みとれる情報を整理したうえで、解答に記載するべき情報を整理する、複合的な出題も見受けられます。

このように「あなた」という一人称的な設定や、表やイラストで情報が図示されていることで、場面設定や条件だけの情報しかない出題よりも置かれている状況や雰囲気を想起しやすくなっており、実際のコミュニケーションを想定した出題が意識されていることがうかがえます。

  • ■「あなたの立場で」や「あなたならどのようにしますか」といった、置かれている状況を踏まえて自分の発言や対応を考えて答える思考型の問題が増加。
  • ■表やイラストなどを客観的に分析し、条件に沿って運用する力を測る問題も頻出。
  • ■自分の意見をまとめたうえで、それを英語でどのように表現するかを考える必要がある。

「思考型英作文」にどう対応するか

このように近年の高校入試英作文は、複数の条件や状況、自分の立場を踏まえての英語表現を求める英作文、いわゆる「思考型英作文」へとその形を変容させています。この「思考型英作文」で求められている力は以下のようになります。

<「思考型英作文」で主に求められている力>

  • ・場面設定や状況を問題文からしっかり読みとる読解力
  • ・条件に合わせて自分の考えをまとめる思考力
  • ・考えた内容をもとに正しく英文を組み立てる英語力

どれも社会生活をしていくうえで必要不可欠な力に思えます。新しい学習指導要領では、こういった実社会で求められる実践的な言語能力の育成が目標に設定されているため、高校入試の英作文テーマにも変化が起こっていると考えられます。

また、実際に自分の答えを英語で書くにあたっては、「意味を大きく変えずに自分の英語力でどう書くか」を考える場面も出てきます。いわゆる、「和文和訳英作文」の力です。この“言い換える力”も、「思考型英作文」における思考力のうちの1つといえます。

日頃の学習において、「今何が問われているのか」「どう答えるか」を考えることが、これまで以上に重要となっています。2021年度入試においても、引き続きこのような思考力を求める問題が出題されることが予想されます。

まとめ & 実践 TIPS

この10年で、私たちをとりまく社会はめざましい変化を遂げました。そしてこの変化は、時代に求められる力を育成すべく、学習指導要領の改訂や入試傾向の変化に表れてきます。入試の傾向が変化する、と聞くと焦りや戸惑いの声がよく聞こえてきますが、きたる教育改革に臆することなく、実社会で必要な英語運用力を培っていきましょう。

株式会社プランディット 英語課 堀内(ほりうち)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの英語教材の編集を担当。

プロフィール

株式会社プランディット

1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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