高学年になって本を読まなくなってしまった我が子、また本好きにするにはどうすれば?

  • 学習

低学年のときはあんなによく本を読んでいたのに、最近は動画やゲームばかり。高学年になったら本を読む姿を見かけなくなってしまった、というご家庭も少なくないかと思います。子どもたちに再び本を好きになってもらうには、どんな働きかけをしたらよいでしょうか。

(赤ペン先生 河原)

この記事のポイント

本を読まなくなる理由の一つは、「忙しさ」

なぜ高学年になると、本を読むことから遠ざかってしまうのか。さまざまな理由が考えられますが、一つには子どもたちの「忙しさ」が挙げられるように思います。

高学年では宿題の量も増え、一つひとつに時間がかかります。新たな習い事や塾に通い始めるお子さまも多いでしょう。減ってしまった自由時間に手っ取り早く息抜きしたい。そう思ったら、入り込むまでに時間がかかる「読書」よりも、短時間のうちにワクワク感を味わえるネットやゲームを選んでしまう気持ちはよくわかります。

高学年向けの本は挿絵が少なく、読む人の想像力を必要としますが、動画なら「読んだり」「考えたり」せず画面を見ているだけでOK。その気楽さは本にとって相当手ごわいライバルです。

忙しさの中でも読み進めたいと思えるような本に出合ってほしいと思いますが、子どもたちの置かれた状況を考えると、なかなか難しいことなのかもしれません。

「本を読む楽しさ」を忘れないための読み聞かせ

子どもたちは決して「本が嫌い」になったわけではなく、忙しい今は一時的に「本を読む」という行為をまどろっこしく感じているだけなのだと私は思います。

我が子の小学校で属していた「図書サークル」では、例年、卒業前の6年生に対し、朗読あり劇ありの、ちょっと気合いを入れた大掛かりな「お話し会」を開催していました。自分の出番がないときに6年生たちの様子を見ていると、誰も彼もがだんだん「前のめり」になっていくのがわかります。

無意識の「前のめり」は、どの年の6年生にも必ず見られました。人は根本的に「お話が好き」なんだな。物語に引き込まれていく子どもたちの姿から、そう感じ取ることができました。

ですから、お子さまに「本を読む楽しさ」を忘れないでいてほしいとお考えでしたら、ご家庭での「読み聞かせ」を復活させてみるのも一つの方法です。読む本を一緒に選んだり、代わる代わる読んだりしてもいいですね。毎日でなくても、時々、ほんのわずかな時間でも。続きを楽しみに少しずつ読み進めるのは、親子のすてきな時間にもなると思います。

心から「面白い」と思った本について話してみる

あるいは、おうちのかたが読んで「面白い!!」と思った本のストーリーをお子さまに話してあげてはいかがでしょうか。

以前、我が家でも一大ブームが巻き起こったことがあります。私がある本について、いかにドキドキハラハラする展開かを熱く語ったところ、たまたま子どもたちの周りでも話題になっていた本だったらしく、「続きは言わないで!」と奪い合うように回し読みを始めたのです。子どもたちは目を輝かせ「こんなに面白かった本は初めて!」と興奮していました。

その後、我が家の子どもたちが本をよく読むようになったかといいますと、残念ながらそうはなっていません。でも、その本を読んだ時の、めくるめく感覚を記憶に残してくれていれば、いつかまた本を手に取ってくれる時もくるだろうと私は期待しています。

まとめ & 実践 TIPS

忙しい毎日の中、子どもたちは目の前のことに夢中で、本を読むことから一時遠ざかっているかもしれません。また本を好きになってもらうためにできることがあるとすれば、折にふれて、読書の面白さを思い出させてあげるような、さりげない働きかけを続けることだと思います。

今は「読む」ことに直接結びつかなくても、お子さまはきっと本のすばらしさを忘れないでいてくれるでしょう。本好きな仲間として心を動かされた本について語り合える、そんな関係になることができたらとてもうれしいですね。

赤ペン先生 河原はるこ

河原はるこ

「赤ペン先生」歴8年。4年生担当。
高校生の時、「赤ペン先生」の心のこもった美しい字のおたよりに励まされた思い出があり「赤ペン先生」に。子どもたちへは、「まちがえるのは恥ずかしいことではない!」「どんどんまちがえましょう!」という想いを持ちながら、一生懸命に書かれた解答を尊重し、大切なポイントがひと目でわかる指導を心掛けている。
趣味:読書とフルーツ酢作り
自己紹介:のんびり屋、でも好きなことには熱い一面も。
中高生三児の母。

プロフィール



赤ペン先生は「進研ゼミ」の選考に合格し、ゼミ独自の研修・教育を通じて、教科の学習内容やお子さまの力を伸ばす指導法などを学んだ人です。 お子さま一人ひとりの解答状況や学習の到達度に合わせて、丁寧に添削・指導いたします。 ※「赤ペン先生」は(株)ベネッセコーポレーションの登録商標です。

  • 学習

子育て・教育Q&A