ボーク重子さんに聞く! これからの子どもを幸せにする「非認知能力」の育み方 Lesson1 非認知能力とは

テストの点数やIQ(知能指数)など、数値に表せる「認知能力」に対して、数値化はできなくとも「生きる力」「人間力」などと言われ、最近注目が集まっているのが「非認知能力」です。
非認知能力に関する著書を多数出版し、非認知能力が早くから注目されてきたアメリカ在住のライフコーチ、ボーク重子さんに、「子どもの非認知能力の育て方」と「子育てアドバイス」をお伺いし、連載で紹介していきます。

第1回目の今回は、「非認知能力」とは一体何か、ということについてお話を伺いました。

この記事のポイント

非認知能力とは、時代が求める「生きる力」

「非認知能力」とは、認知能力に“非”がついているように、認知能力とは真逆の力のことです。認知能力とはテストの点数やIQ(知能指数)、偏差値など、目に見えて数値化できるもの。その真逆とは、数値化できない「目に見えない力」です。これを「生きる力」、「人間力」という言い方もしますが、以下のような力が含まれます。

 自信
 自己肯定感
 自制心
 柔軟性
 主体性
 回復力
 やり抜く力
 共感力
 コミュニケーション力
 社会性
 協働力
 創造性
 想像力

これらはどれ一つとして新しい能力ではありませんが、「時代の変化」とともに、今注目を集めています。

求められるのは自分で考えて解決する力

AIの開発が進み、インターネットやコンピュータを使えば、世界中の知識は瞬時に手に入るようになりました。もはや知識ではAIにはかなわない時代です。そんな時代だからこそ、大事なのは入れた知識を正確に取り出すことではなく、正解のない問題にどう知識を組み合わせて使うか、情報があふれる社会の中で、どれが本当に必要な情報かを論理的に考えて、問題を解決していく力です。
そういう時にこそ、非認知能力が力を発揮します。

「認知能力」と「非認知能力」、どちらも大事

非認知能力に注目が集まるようになると、「認知能力」と「非認知能力」、どちらが大事なのかという議論になりますが、これからのグローバル社会のスタンダードは、二者択一ではなくて、「両方が必要」です。
そのために何か新しいことを始める、というわけではなく、今までやってきたことの考え方や向き合い方を変えることが重要になります。
この部分はこれから少しずつ連載でお話ししていきます。

家庭で非認知能力を育む 3つのポイント

家庭における非認知能力を育むうえで最も重要なことは、非認知能力を育む「環境」をつくることです。これは親にしかできません。
私は具体的には次の3つを意識しています。

1.子どもにとって安心・安全である

まずは子どもが安心安全と思えるか。そのためには、その子をありのまま受け入れることが大切です。人間なので、いいところも悪いところも、できることもできないこともありますが、それを全部ひっくるめてその子なのです。子どもは思うことを言っても批判されない、安心できる環境だと思えるからこそ、失敗を恐れずに話し、挑戦する気持ちにもなれます。
また子どもを一人の個人として尊重すること、個性を認めること、楽しい雰囲気があるというのも重要です。

2.「主体性」が育めること

子どものうちから「やりたい!」という意欲や好奇心を育むことはとても大切です。そのために、興味があることはどんどん子どもにチャレンジさせることです。たとえば習い事。習い事は主体性を訓練するとてもいい機会です。

よく習い事が続かない、続けないと子どもにやめぐせがつくのではないか、と心配されるかたがいますが、習い事は「最短で試してみる、そこまではやり切る」と決めてから始めてみるとよいでしょう。やめたくなった時でも、最短の期間まではやり切れるので、子どもも達成感を持ってやめられます。

大事なのは親が自分の思いや理想を押し付けず、子どものパッション(好き、得意など)を引き出し、子どもが自信を持って、自分で考え実行するということです。

3.習慣化できる環境

たとえば、宿題。毎日同じことを同じ時間にルーティン化することで、習慣化に役立ちます。また大事なのはそれに取り組む環境です。おもちゃやゲームがある場所では宿題はなかなかできないので、そういったものを最初から持ち込まないことが必要です。

コーチングで効果的なものに、「インターバルトレーニング」というものがあります。どういうものかというと、お子さんの年齢によりますが、たとえば1時間を15分ずつ4つに区切り、勉強を始めます。最初の15分で勉強。そして遊び。そしてまた15分勉強、それから遊びと続けます。

時間になっても遊びがやめられないという場合の多くは、やめたらおしまいだと思うからです。だから、遊びの時間が終わっても次があると思うと、目の前のことに集中して、後を楽しみにがんばることができます。
これは自制心を育むトレーニングにもなります。自制心は我慢することではなく、先を見越す力です。

次回は、非認知能力の中で要ともいえる「自己肯定感」についてお話しします。

まとめ & 実践 TIPS

認知能力と非認知能力、どちらか一方が大事なのではなく、一緒に伸ばしていくことがこれからのグローバルスタンダードになるそうです。また、子どもの非認知能力を育むために家庭でできる環境づくりが大事だということがわかりました。

非認知能力について、もっと詳しく読みたいかたはこちら
子どもを幸せにする非認知能力の育み方

プロフィール

ボーク重子

ボーク重子

ICF会員ライフコーチ。Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。米ワシントンDC在住。30歳の誕生日を前に渡英、ロンドンにある美術系大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、フランス語の勉強で訪れた南仏の語学学校で、米国人である現在の夫と出会う。1998年渡米し、出産。子育てと並行して自身のキャリアを積み上げ、2004年にアジア現代アート専門ギャラリーをオープン。2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)とともに、「ワシントンの美しい25人」の一人として紹介される。一人娘であるスカイは2017年「全米最優秀女子高生」コンクールで優勝し、多くのメディアで取り上げられた。現在は、全米・日本各地で“非認知能力を育む子育て”“新しい時代のキャリア構築”についてコーチングと講演会を開催している。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など shigekobork.com 東京FMラジオ局のAuDee (Iphoneアプリ)、マイスタジオにて「ピンクdeワオ:自己肯定感コーチング」毎週月曜日から金曜日朝6時配信中。

特に乳幼児期は、保護者の子どもへの接し方がとても大切です

  • トイトレの第一歩は、オムツはずれのイメージづくりから
  • 子どものしつけは、クイズ形式にするとうまくいく
  • 子どもが友達と揉めた時、すぐに介入するのはNG

このように、子育てをするうえで知っておきたい情報はたくさんあります。

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