要求が通らないと暴れたり泣いたりするわが子。こんなときどうしたらいい?
- 育児・子育て
物事が自分の思い通りにいかないときに湧き起こる、不快な感情をコントロールすることは、大人でも難しいことだと思います。
お子さまが自分の要求が通らなくて物に当たったり、暴れたり、泣いたりしたとき、親としてどのような対応をすればよいのでしょうか。
(赤ペン先生 吉田)
この記事のポイント
子どもの立場になって考える
大人でも、自分に余裕がないときに、子どもが自分の意に反する行動を取って、思い通りに物事が進まないと、イライラしてしまうことがあるのではないでしょうか。子どものように、泣いたり暴れたりはしないまでも、心の状態は、類似していると思います。
そんなとき自分だったら、どうしてほしいでしょうか。イライラしていることを責められたり、たしなめられたりすると、余計、イライラが増し、精神状態は悪化すると思います。反対に、自分の気持ちをわかってもらえたり、代弁してもらえたら、気持ちも和らぎ、イライラして悪かったと思えるのではないでしょうか。
子どもも同じです。感情が高ぶっている最中に、おうちのかたが、「いい加減にしなさい!」などと声を荒らげてしまうと、火に油を注ぐようなものです。まずは、落ち着かせましょう。「深呼吸しよう。」と声をかけたり、背中をさすったり、抱きしめたりするのもよいと思います。
落ち着いたら、じっくりお子さまの言い分を聞いてあげてください。言葉にできないようであれば、「○○したかったんだよね。」「悲しかったんだね。」などと、お子さまの行為の裏付けとなっている感情を、言語化してあげるとよいと思います。
おうちのかたが自分の気持ちを理解してくれたと思えると、子供は素直になれます。そこで、初めておうちのかたの言うことに耳を傾けられるようになります。おうちのかたとのやり取りの中で、お子さまが自分の気持ちを言葉で言えたら、しっかり認め、言葉にできたことをほめてあげてください。そこから、「どうすればよかったのか」や「言葉で伝える」ことの大切さを注ぎ込むことで、子どもは伝え方を学んでいくと思います。
態度で不満や苛立ちを示すのではなく、言葉で気持ちを表現する練習を根気よくやっていきましょう。
感情を発散させることも大切
わが家の子どもも、小学校1年生の頃、学校から帰ってから、20分ほど駄々をこねるときがありました。おそらく、学校で何か我慢をしていたのでしょう。寝っ転がってわんわん泣きながら、体をぐねぐねくねらせたり、足をバタバタしたりしていました。ひとしきりやると、気が済むのかケロッとしていました。
どうしてもイライラが収まらないときは、周りに迷惑にならない方法で、発散させるのもよいと思います。
たとえば、梱包材の「プチプチ」をつぶす、不要になった新聞などの紙をくしゃくしゃにしたり、ビリビリ破る、クッションなどを顔に当てて叫ぶ、などです。これらの方法は、最初は“怒り”があったはずなのに、やっているうちに楽しくなり“遊び”に転換してしまうこともあります。
「キレない心」は日常生活から
大人でもそうですが、常に我慢を強いられると、欲求不満に陥って感情が爆発してしまうこともありますよね。
また、睡眠不足が続いたり食生活が乱れたりすると、精神が不安定になり、ちょっとしたことで苛立ってしまうこともあります。そして何より“癒し”も必要です。
そこで、お子さまの普段の生活の中で、次のことに留意してみてはいかがでしょう。
- ・はしゃいで遊んだり、好きなことや、やりたいことをする時間を充分つくる
- ・頭や背中をなでる、手をつなぐ、ハグなどのスキンシップをたくさんとる
- ・心地よくなるような音楽を聴く
- ・おいしい物、好きな物を食べる
- ・早寝早起き、朝食をしっかり取るなど、規則正しい生活を心がける
ぜひ、お試しください。
まとめ & 実践 TIPS
かつて、「親が苦しいときは、子どもはもっと苦しい」と聞いたことがあります。泣いたり暴れたりするのは、お子さまの「心の叫び」でもあるのではないでしょうか。
そんなときに、おうちのかたが無視をしたり、叱責ばかりすると、お子さまは自暴自棄になってしまい、人に気持ちを伝えることを諦めてしまうようになるかもしれません。
おうちのかたも本当に大変だと思いますが、お子さまの「心の叫び」をしっかり受け止めてあげてください。おうちのかたの“ぬくもり”を感じることが、情緒の安定にもつながります。そして、お子さまが笑顔になれば、きっとおうちのかたも心が満たされることでしょう。
- 育児・子育て