登園拒否は「園がイヤ」なわけではない?! その理由と対処法

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お子さまが登園拒否をすると、「保育園・幼稚園で何かイヤなことがあったのでは?」と不安になりますよね。しかし、多くの場合は「園がイヤ」なわけではありません。登園拒否にはどんな理由があるのか……。お子さまの気持ちを考え、受け止めていくことが解決への近道です。

この記事のポイント

登園拒否はあって当然!?時期によってはゆっくり見守って

まず知っておいてほしいのは、「登園拒否をするのが当たり前の時期がある」ということ。簡単に言えば、保育園・幼稚園に慣れない時期や、年齢が低い時期のことです。この場合はそこまで心配しなくても大丈夫。ゆっくり様子を見ましょう。

入園してから数日~数週間

入園してすぐは、泣いたり嫌がったりすることが多いです。保護者のかたから離れて過ごすのですから当然ですよね。先生はこの状況に慣れていますから、あまり気にせずに笑顔で送り出してあげましょう。もちろん泣かずに登園できる子どももいますが、人それぞれですから比べる必要はありません。

また、入園してすぐは泣かなかったのに、1~2週間して突然泣き出すという場合もあります。こういったタイプのお子さまは、「入園してすぐはよくわからないまま登園していたが、慣れてきたことで状況を把握し始めた」という可能性が高いです。保護者のかたはびっくりするかもしれませんが、よくあることなので様子を見てあげましょう。

休み明け

夏休みや冬休みなど、長期休み明けは登園拒否をすることが多いです。毎週月曜日は泣いてしまうというお子さまもいます。それだけ家庭で過ごす時間が楽しかったんだとプラスに受け止め、変わらず笑顔で送り出してあげてください。ただし、生活リズムが崩れていて朝の調子が出ないという可能性もあります。その場合はリズムを整えていきましょう。

行事の前

運動会や発表会などの前に、登園拒否になるお子さまもいます。歌や劇、競技の練習をたくさんするこの時期。我慢することや集中することが多いため、ストレスが溜まることもあります。楽しんでいたとしても、疲れは出てくるはず。あまりプレッシャーをかけず、家庭ではしっかり休ませることを意識しましょう。行事が終わればスムーズに登園できるようになることが多いです。

3歳未満児など年齢が低い場合

年齢が低いほど、保護者のかたと離れがたくなるのは当然です。特に3歳未満児は、言葉で気持ちを表現できない代わりに態度で表します。泣いたりぐずったり、着替えをしなかったり……。体調等は気にしなければなりませんが、泣くのはある意味当然だと思ってください。日々のスキンシップを大切にしながら、先生とお子さまを信じて笑顔で送り出してあげましょう。

保育園・幼稚園での過ごし方はどう?登園拒否の理由

先ほど紹介した時期以外でも登園拒否が激しい場合は、何か理由があるかもしれません。今回は、大きく3つに分けました。もちろん、「なんとなく」行きたくないこともありますし、いろんな理由が絡み合っていることもあります。あくまでお子さまの気持ちを知るきっかけとして、参考にしてみてください。

体調不良がある場合

まず始めに気にしなければならないのは、体調です。特に、まだ言葉が少ない3歳未満児の場合は、泣いたりぐずったりすることで体調不良を訴えることがあります。「眠い」というのも、体調がすぐれないことと同じと考えましょう。熱を測ったりお子さまの様子をよく観察したりして、体調を確認してください。

ママ・パパと離れるのがイヤな場合

登園拒否の理由は、こちらに当てはまることが多いです。迎えに行けば「楽しかった!」と帰ってくるなど、行ってしまえば大丈夫という場合はこちらと考えてよいでしょう。つまり、「保育園・幼稚園に行きたくない」ではなく「ママ・パパと離れたくない」ということ。登園拒否は園に理由を求めがちですが、そうではなく家庭で対処できることも多いのです。たとえば、こういった理由が考えられます。

・仕事が始まって子どもとの関わりが減ってしまった
・きょうだいが増えた(妊娠中も含め)
・朝早く起きるのが苦手
・「今日は泣くだろうか」と、保護者のかたが不安になり過ぎている
・登園拒否をすることに対して、保護者のかたが怒ったりイライラしたりしている など

上記の理由に当てはまらなくても、大好きな保護者のかたと離れるのは寂しいものです。その気持ちを理解して、スキンシップを増やしたりしていくとよいかもしれませんね。

保育園・幼稚園でイヤなことがある場合

園に理由がある場合もあります。登園してからも泣いていたり、「楽しくなかった」と帰ってきたりする場合です。「給食が苦手」「集団に馴染めない」「友達とケンカしてしまった」など、いろいろな理由があるでしょう。気になることがあれば、一度先生に相談してみてください。

もちろん、すぐに解決するわけではありません。集団生活に慣れていったり、友達との関わりを覚えたりする時期は、うまくいかないこともたくさんあります。子どもの成長を信じながら、長い目で見守っていくことも大切かもしれません。

ただし、「先生が厳しすぎる」「園の風潮が明らかに合わない(ゆったりしたお子さまなのに教育系の園に入ってしまった)」など、子どもに負担をかけている可能性もあります。その場合は、園長先生に相談したり転園を考えたりしてもよいかもしれません。

どんな場合も大事なのは「子どもの気持ちを受け止める」こと

理由はさまざまですが、子どもの「行きたくない」という気持ちは同じです。家庭でできることは、子どもとしっかり向き合うこと。もちろん、どんなにやっても登園拒否が続くことはあります。それでも、保護者のかたが向き合ってくれたことは、お子さまの心の支えになるはずです。

ごまかさずに気持ちを受け止める

まずは、お子さまの気持ちをしっかり受け止めてあげましょう。「寂しいんだね」「泣いてもいいんだよ」という感じです。登園拒否をすると、つい「行けば楽しいよ」「今日の給食おいしそうだよ」と話をそらしてしまいがち。しかし、お子さまの気持ちを置き去りにしたままでは、あまり効果はありません。

まずは、「行きたくない」という気持ちを否定せずに受け止めて。楽しいことは、その後で一緒に考えてあげましょう。

Iメッセージを心がける

声をかけるときは、保護者のかたの気持ちを伝えるようにしましょう。「Iメッセージ」と呼ばれるものですね。「パパは仕事があるから、保育園に行ってくれると助かるな」「ママも寂しいけど、Aちゃんもがんばってるかもって思うとがんばれるよ」といった感じです。

楽しく通ってほしいという気持ちがあると、つい「行けば楽しいよ」「がんばれるよ」と声をかけてしまいますよね。子どもの気持ちを前向きに変えようとする、保護者のかたの優しさかもしれません。しかしこれだと、お子さまの気持ちを否定してしまう可能性があります。子どもの気持ちは、子ども本人にしか変えられません。気持ちが変わるのを待ちながら、このIメッセージ伝えていくことが大切です。

送り出すときは笑顔で

泣いているお子さまを連れていくのは大変です。保護者のかたも悲しくなりますし、不安にもなります。イライラすることもあるでしょう。そんなときこそ、笑顔を心がけてください。そうすれば、「保育園・幼稚園は安心できる場所」だと認識できるようになるかもしれません。

先生に預けたら「いってらっしゃい!」と笑顔でサッと帰ってくる。この方が、お子さまも気持ちを切り替えやすくなります。「笑顔で別れたい」のであれば、まずは保護者のかたが笑顔を心がけてください。そうすることで、お子さまの気持ちも変わってくるかもしれません。じっくり関わるのは、迎えに行った後やお休みの日にしましょう。

保育園・幼稚園の話を無理にせず、楽しい時間を過ごす

家庭では、無理に園の話をしなくてOKです。「明日は楽しく行ってほしい」と思うと、つい保育園・幼稚園の話題ばかりになってしまいがち。「今日はどうだった?」「明日はこんなことがあるよ」といった感じです。

しかし、「行きたくない」と思っているお子さまにとって、園の話は避けたいもの。なるべく違う話をして、楽しく過ごすことを心がけましょう。もちろん、お子さまから園の話をしてきたときにはしっかり聞いてあげてください。

まとめ & 実践 TIPS

登園拒否の理由は、「保護者のかたと離れたくない」であることも多いです。もちろん、いろんな理由が複雑に重なっていることも。どんな理由にしても、家庭でできる対処は「子どもの気持ちを受け止める」ことです。時間はかかるかもしれませんが、焦って無理をすれば余計にストレスになるかもしれません。過度に心配せず、でも様子はしっかり見て。お子さまの気持ちが変わることを待ちながら、ゆっくり向き合っていきましょう。

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