泣き虫なのは気弱だからではない?自己表現ができれば泣き虫も卒業できる!
「うちの子、泣き虫で……」といった悩みを抱えている保護者はいませんか?
ちょっとしたことですぐに泣いてしまうと、気弱な子どもに思えたり、わがままな子どもに思えたりする場合もあるのではないでしょうか。幼稚園や小学校では泣かずにちゃんとできているのかなどと、心配になってしまいますよね。
そこで今回は、「泣き虫な子ども」について深掘りしていきます。
泣き虫はマイナスの感情を上手く表現できない子どもに多い
大人から見ると“ちょっとしたこと”でも、子どもが泣いてしまうシーンは意外に多いものです。
「友だちにおもちゃを取られてしまって」
「健康診断でお医者さんにさわられて」
「保育園で保護者と離れられなくて」
などです。
ただし、子どもにしてみると不安な出来事なのでしょう。ですからまずは保護者が発想を転換する必要があります。
赤ちゃんが泣きながら生まれてくることからわかるように、子どもは泣くものです。おなかが空いても、眠たくても泣き出します。言葉が話せない頃は、「悲しみ」だけではなく「悔しさ」「怒り」「怖さ」といったマイナスの感情のときは泣くことでしか表現できないのです。つまり、よく泣く子どもというのはマイナスの感情を上手く言葉で表現できず、解決する方法がわからないからなのです。
共感してあげれば安心し、子どもは言葉で表現し出す
では、どうすれば泣きやませることができるのでしょうか?
前述したように泣いているときは、子どもが何らかのマイナスの感情を爆発させている状態です。ですから、それを認めてきちんと対処してあげれば泣きやませることができます。
声をかけるとすれば、「どうして泣いているの?」という言葉が肝心です。
ただ子どもが自分の言葉で語るまで時間がかかります。特に泣いている子どもですから、より時間がかかるでしょう。
ですから「おもちゃが使えなくて泣いているの?」「できなくて悔しかったの?」と理由を察してあげて子どもを安心させましょう。「うん」という返事で意思を表したり、「違うもん」など自分の感情を言葉で言い表したりできるようになります。
また、それに対する解決法も最初のうちは示してあげましょう。「泣かないで、お友だちにおもちゃを貸してって言ってみてごらん」「今は順番じゃないから、がまんしようね」など、子どもが泣いている原因をしっかりと解決する方法を示してあげることが大切です。
泣き虫を否定すると自分の感情を表現できない子どもに
反対に、泣いている子どもにやってはいけないことがあります。
「どうしてすぐ泣くの?」
「泣き虫ね」
「泣いてもダメよ」
「こんなところで泣かないで」
といった形で、泣いている子どものことを否定することです。
泣くのをやめさせようと保護者は必死になってしまいこういう言葉をかけてしまいがちですが、こうした言葉で子どもは自分が認められていないと感じます。そのときは泣くのをやめたとしても、子どもは納得して泣きやんだワケではありません。「泣きたいときは自分ががまんしなければいけないんだ」と思い込むようになり、子どもの成長にとってはよくないのです。
もし子どもが泣いていることで他人に迷惑がかかるような状況であれば、場所を移動することも考えてあげましょう。
自分で主張した方が相手に伝わることを覚えさせる
「泣き虫」はお友だちからバカにされたり、からかわれたりしがちで、保護者から見ると心配事のひとつです。しかし見方を変えると、人前でも泣けるというのは自我があり自分の主張がちゃんとできる子どもということです。泣いている理由を言葉にしてどう解決するのかがわからないだけなのです。
保護者が解決法を示し、さらに自分でどう解決していくのがいいのかを考えさせ、身につけさせることでいつの間にか泣き虫を卒業していきます。泣くよりも自分の言葉で主張したほうが相手に伝わるからです。泣き虫から卒業できるように上手に導いてあげましょう。