【給与は?手当は?】育児休暇の疑問アレコレを解決します!
働き盛りの世代が、子育てと仕事をうまく両立するために必要なのは、どんなことなのでしょうか? 解決策のひとつとして期待されているのが、育児休暇を今より取りやすくするということです。育児休暇がきちんと利用できれば、子育てのために仕事を長期間休んで育児に専念できますし、その間の収入も一定の額は保証されます。
そこで今回は、育児休暇の基礎知識と男性の育児休暇利用についてご紹介します。ご家族のみなさんでしっかりと理解し、子育ての分野でも男性が貢献できることを知っておきましょう!
「育児休暇」ってこんな制度! 〜期間やその延長方法など〜
育児休暇というのは、育児介護休業法によって定められている制度です。原則として労働者であれば誰でも取得することができますが、パートやアルバイトといった期間雇用者の場合は、取得するにあたって一定の条件があります。その条件とは、同一事業主に1年以上雇用されていること、子どもが1歳に達する日を越えても引き続き雇用されることが見込まれていることなどです。簡単に言うと、長期間雇用されていることが条件となるでしょう。
育児休暇が認められる期間は、多くの場合子どもが生まれてから1歳になるまでです。ただ、保育所への入園を申し込んでいるけれどなかなか空きがない、配偶者が病気で働けないなど特別な理由があれば、1歳6ヵ月までの期間延長が認められています。また公務員ならば最長3年まで育児休暇を取得することが認められており、近年では民間企業でも育児休暇の期間長期化を容認するところが出てきました。とはいえ、実際には企業によって対応にかなり違いがありますから、育児休暇取得前に自分の勤め先がどのような状況なのか、よく調べておくとよいでしょう。
育児休暇中の手当や給与について
育児休暇中の給料の支払いがどうなるかは、勤め先の方針によって違います。一定額を減らしたうえで支払うところもあれば、まったく支払わないという企業もあるでしょう。
一方で、育児休暇中の人を対象にした育児休業給付制度も用意されています。この給付制度は一定の条件があるものの、休暇中に給与を受け取れない、あるいは給与を大きく減らされているという人に対し一定額を給付してくれるという制度です。また、育児休暇を終えて職場に復帰した人については、育児休業者職場復帰給付金というものが支払われます。自分の会社は育児休暇中のお給料がゼロ、もしくはかなり少ないという人は、ぜひ知っておきたい制度です。
【育児休業給付金】支給日と金額について知っておこう
育児休業給付金の具体的な支給額は、休業開始日から180日目、つまり6ヵ月間は月給の67%となります。そして、181日目以降から最終日までは、月給の50%を支給するのです。ただ、勤め先から育児休暇中も給料を受け取り、その額が休業開始時の3割を越えている場合は、支給額が減額され、8割を越えると支給されません。また、給付金の上限は67%の期間なら月額にして28万5,621円であり、50%の期間は21万3,150円です。その他、育児休暇中は厚生年金保険、健康保険といった社会保険関連の保険料が本人及び事業主の負担分が免除されます。
また、給付のタイミングについても要注意です。給付金は、月払いではなく2ヵ月ごとに一定額を受け取る形になります。特に初回の給付金支払いは、育児休暇開始から半年経ってからというケースもあるでしょう。自分の場合はいつ支給されるのかをしっかりと把握して、その間は家計をうまくやりくりしないといけませんね。
なかなか育児休暇がとりにくいという方へ! 取得するコツは?
育児休暇は法律で認められた制度ですので、堂々と取得しましょう。取得の条件を満たしている労働者なら誰でも取得することができ、雇用主がこれを妨げることはできません。万が一、勤め先が人員不足などを理由に育児休暇を却下しようとしたら、それは勤め先のほうが違法となるのです。
ただし、派遣やパート、アルバイトといった期間限定で働く人は注意が必要でしょう。このような人の場合、育児休暇を取るには育児休暇が明けたあとも雇用を継続してもらえることが取得の条件となります。しかし、勤め先が休暇を取るなら契約の更新をしないと言う可能性はあるでしょう。そのような場合は、あらかじめ専門家に相談しておくなど、自分に合った解決策を見つけておくことが大切です。また、正社員の場合でも、育児休暇を取得することで職場に迷惑をかけるのは不安でしょう。早めに休暇の取得を申し出て、仕事の調整や周囲の理解を得ることも大切です。
男性だって取得できる! 育児のトレンドを知っておこう
日本では、育児休暇というと出産する女性が取得するものだというイメージがあります。2014年時点の調査を見ても、女性は80%前後の高い割合で育児休暇を取得するのに対し、男性はわずか2%台の取得にとどまるのです。それでも年々取得率が増加しているのですが、女性とは比較にならないというのが現実でしょう。
しかし、育児休暇という制度は男女関係なく利用できる制度であり、男性だからダメだということはありません。もちろん、企業側が性差を理由に休暇の申請を認めないということはできないので、今後は男性もどんどん育児休暇を申請していくべきでしょう。
また、仕事を休むことに抵抗を覚える男性も多いかもしれませんが、実は育児休暇を取得することは、自分にとっても家族にとっても大きなプラスになります。家族と接する時間がぐんと増えるだけでなく、今まで知らなかった家事や育児の苦労を知ることで、妻への感謝の気持ちも芽生えます。また、多くの男性がいまだ経験していない育児休暇をいち早く利用することで、先進的な人間だとその後の職場でアピールできるかもしれませんね。イクメンという言葉が当たり前になってきた今では、自分のキャリアの一環として有効利用できる可能性もあるのです。
育児休暇が当たり前になれば社会の未来も明るくなる!
育児休暇は、子どもをもつ労働者なら誰でも利用できる制度とはいうものの、今の日本ではまだ十分に活用されていないというのが実状です。特に男性の場合、職場を長く離れることや未知の分野である子育てに対する不安などから、取得することに及び腰となる人も多いかもしれません。
しかし、きちんと調べれば収入面の不安などはある程度解決できますし、今後育児休暇が一般的になっていけばキャリアに響くなどという懸念もなくなります。
赤ちゃんが小さいのはほんの短い間です。大事な家族のために働くというのであれば、その期間だけ育児休暇を取得することもプラスになると考え、取得することを前向きに検討してもいいのではないでしょうか。
※この記事は2015年10月時点の情報をもとに作成しております。