「ヘルパンギーナ」に感染したら?子どもがかかりやすい「ヘルパンギーナ」とは

 「ヘルパンギーナ」とは、子どもがかかりやすいウイルス感染症のひとつです。ドイツ語で「扁桃腺にできた水ぶくれ」といった意味があります。これも夏に流行しやすく子どもがかかりやすい病気であり、注意が必要です。この記事では、ヘルパンギーナの病状や対応についてご説明します。


いわゆる「夏風邪」がヘルパンギーナ

 ヘルパンギーナという変わった名称から何か特別な病気のように感じられますが、これはいわゆる「夏風邪」の一種。扁桃腺が腫れ、38~40度の高熱が2~3日続きます。4、5歳までの子どもが感染しやすく、手足口病と同じくさまざまなウイルスが関わっているため、同じ年の夏の間に何度も感染する可能性もあります。咳やくしゃみで唾液が飛散し感染するので、兄弟・姉妹がいる場合には、手洗い・うがいなどの予防策を取り、可能な限り注意しましょう。

 

 

ヘルパンギーナに効く薬はなし、症状を見て対応を考える

 2015年現在、ヘルパンギーナを含めた風邪に対する特効薬というのは、まだ開発されていません。さまざまな風邪薬はありますが、どれも咳や鼻水などの症状を軽減することができるまでであり、風邪ウイルスそのものを撃退するものではないのです。

 

ですから、ヘルパンギーナにかかった場合にも、症状を見つつ対応を考えていく必要があります。小児科の先生によっては、解熱剤などを処方してくれますので、こまめに熱を測りつつ、子どもが少しでも楽に過ごせるよう対応していきましょう。長くても一週間程度で症状は落ち着きますが、それを超えるようであれば必ず小児科を受診してください。

 

 

特に水分不足には気をつけて

 高い熱が続けば水分不足が心配されます。十分に水分を取るようにしてください。喉の痛みが強ければ、なかなか水分を取りたがらないかもしれません。その場合には、スプーンを使って少しずつ口の中に流し入れたり、小さな氷を口の中でゆっくり溶かしたりして、徐々に水分を補っていきましょう。イオン水で氷を作っておいてもいいですね。

 

【脱水症状のサイン】

・ 唇が渇ききっている

・ 泣いても涙が出ない

・ 熱が高いのに汗が出てこない

・ トイレに行ってもおしっこがでない

 

このようなサインがあれば、脱水症状が進んでしまっている危険性が高いと考えられます。水分を補給しても回復の兆しが見えない場合、うまく水分を取れない場合にも、早めに医師に相談しましょう。

 

 

監修:高田佳輝

40年間小児外科を中心に小児医療に携わる。小児外科指導医。

プロフィール



自身も7歳、11歳の子どもを育て、育児・食育・親子問題についての執筆を行うライター。医療・健康・体の不思議、子育て中にもできる美容などにも触れ、さまざまな面から「子どもとの生活」についてのライティング実績がある。講師業では、「脳と体を考える食育」についての情報を提供。

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