色彩やデザインで街を魅力的に 学生時代から「現場」を学ぶ研究室

色彩やデザインで街を魅力的に 学生時代から「現場」を学ぶ研究室日本が転換期を迎えた今、子どもたちは大学や学部をどう選び、何を学ぶべきなのか。環境色彩や環境心理について研究する、筑波大学芸術専門学群の山本早里准教授の研究室を訪ねた。

 

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色彩によって環境をよりよくする方法について研究しています。現在取り組んでいる研究は大きく2つあり、一つが環境における色彩の研究です。世界中の街の色彩を調査し、色彩の分布によって、私たち人間がどのような印象を受けるかということを、実験によって明らかにしています。

 

最近、特に興味を持っているのが、街づくりに色彩が寄与する事例です。スペイン・バルセロナ近郊のジローナという街は、街の色彩を変えたことで観光地として有名になりました。もともと、この街の家々は白がベースの壁でしたが、活気ある美しい色に塗り替えて街全体の色彩を変えたところ、多くの観光客が集まるようになったのです。

 

研究のもう一つの柱が公共サインの研究で、企業や自治体との共同研究に関わり、調査、実験、分析、評価、最終的にデザインに生かすところまでを目指しています。公共サインとは、その街に暮らす人々が行動するために必要な情報(地図・案内)を伝えるもの。こうしたプロジェクトに興味のある学生には、積極的に手伝ってもらっています。一例が、日立市の高速バス輸送システム(ひたちBRT)のデザイン計画で、公募で選ばれた原作をもとに私がデザインを監修しました。ひたちBRTを認知してもらうこと、地域の人々から愛着を持ってもらうことなどをコンセプトに掲げ、停留所のサイン案を学生にも考えてもらいました。

 

こうしたプロジェクトに参加することで、学生には大勢の人と作り上げることの楽しさや、喜びも知ってもらいたいと思います。また、多くの人の価値観にふれる中で感性を磨き、将来の学びや仕事に生かしてもらいたいですね。

 

出典:筑波大学 芸術専門学群 構成専攻 色彩で街づくりに寄与する -ベネッセ教育情報サイト

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