受験本番前のまちがえ解答に「おめでとう!」 その理由は?
中学受験目前のわんぱくな小6男子。「好きな分野以外の問題は、まちがえても見直したり解き直したりしない」と悩む保護者に、平山入試研究所の小泉浩明氏が回答する。
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【質問】
理解力はあるのですが、この問題はわかっているからと、まちがえた問題も、あまり好きな分野でないと解説を見ただけで解き直しをしようとしません。(小6男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
まちがえた問題は、解き直しをして次に出た時にできるようにすべきですが、自分があまり好きな分野でないと、つい、いい加減に……。これは本当にもったいない勉強法です。成績を拝見すると、算数はけっこう得意なようですから、好きでない単元もできるようになれば、「けっこう得意」が「ずば抜けて得意」になるまで伸びる可能性があります。
受験における算数や数学の勉強とは、さまざまな単元のやさしい問題から難しい問題を、一つひとつ解けるようにしていく作業といえます。天才的なヒラメキは必ずしも必要なく、「できない問題をなくしていく」という愚直なまでの努力のほうが効果的です。
最終的な目的は合格で、そのために「できない問題をなくしていく」ことが求められているなら、試験本番前の今まちがえることは、実はすばらしいこと。「おめでとう!」と言いたいくらいのできごとなのです。なぜなら、まだ自分ができていない問題をひとつ発見できたからであり、それを理解すれば、またひとつできる問題が増えるからです。
6年生の今こそ、1問でも多くできない問題を減らしていく時期です。志望校合格のためにも、ぜひともまちがえた問題の見直しや解き直しに時間を割いて、できる問題に変えていきたいものです。