この時期、保護者はどうかかわるか 第3回 自分の経験で判断しない[高校合格言コラム]
自分の経験で判断しない
前回は、お子さまの模試の答案の見方についてお伝えしました。今回は、ご自身が受験された経験の取り扱いについてお話しします。
●学区撤廃
前々回、「学区撤廃」についてちょっとふれました。実は今下記の22都県ではすでに学区が撤廃されています。
青森県、秋田県、宮城県、茨城県、群馬県、埼玉県、
東京都、神奈川県、新潟県、石川県、福井県、山梨県、
静岡県、滋賀県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、
広島県、高知県、大分県、宮崎県
来年度は、大阪府でも学区が撤廃されることになっています。学区ではありませんが、学校選択に影響があるということでは、京都府では来年度、「総合選抜」が廃止されます。
撤廃しないまでも、学区の数を半分、3分の1に減らし、より多くの高校から選択できるようにしている県も数多くあります。兵庫県は2015年度から現行の16学区を5学区に再編します。
このように受験環境は大きく変化しています。保護者のかたの時代には受験できなかった高校もお子さまは受験できるのです。昔から知っている学校だけでなく、広い範囲の高校から少しでもお子さまにふさわしい学校を選ぶようにしましょう。
●入試が1回に
高校入試は、多くの都道府県で推薦入試と一般入試の2回行われていました。それが、中学校の3学期の授業をきちんと成立させ、全員に学力検査を課すことで、しっかり勉強させる方向に変えていこう、ということになりました。また、推薦入試でも一般入試でも実際に合格する生徒は変わらないということが問題になり、それでは推薦入試を行う意味がないということで、ここへきて入試自体を1回にする県も出てきています。
茨城県、埼玉県、神奈川県、福井県、岐阜県、静岡県、和歌山県
以上の県では、すでに1本化されています。
2回あれば、挑戦志向で受験できたものが、1回となるとどうしても安全志向になります。ご家庭の財布に余裕があり、私立高校で合格を確保して、公立高校は挑戦気味に受けられるという受験生はいいのですが、公立でなければ進学させられないというご家庭の受験生は安全策をとらざるを得なくなります。
こうした、大きな変化がある年度にお子さまが該当した場合には、私立高校を含め慎重な受験作戦を立てるようにしましょう。
●昔のイメージでとらえない
私立高校については、保護者(祖父母のかた)の時代には、あまりいいイメージではなかった学校が、今やかなりの難関校になっている、ということがよくあります。実感としてはなかなか理解しにくいものなので、偏差値表、大学合格実績等の客観的材料をもとに、最近の学校事情をしっかりつかんでください。
客観的な材料なしに、ご両親あるいは祖父母の印象的なことで学校選択をしてしまうと、お子さまにとってふさわしい学校選択にならなくなってしまうだけでなく、そもそも合格をつかめないなどということが起こってしまいます。
次回は、三者面談についてお話しします。