スマホサイズのロボットも登場!? ロボットクリエーターの描く未来とは
2013年5月に行われた『ベネッセ進学フェア』講演会で行われた、Panasonicの「EVOLTA(エボルタ)」くんの開発などで世界中からの注目が集まる、ロボットクリエーターの高橋智隆氏の講演。人型ロボットを設計するというのは夢のある仕事だが、どんなこだわりを持って設計をしているのだろうか。詳しく伺った。
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わたしが仕事としているロボットクリエーターというのは、ロボットのことを考えて、実際に作って、発表する仕事です。わたしは小型のヒューマノイドロボット(人型ロボット)を作っています。どこかから注文を受けて、お金をもらって作っているわけではありません。元々は、勝手に考えて勝手に作ります! 「よいこと思いついた」と作って、それを見せびらかしていると「商品にして発売したい」「特許を使いたい」「うちのロボットもデザインしてほしい」……そんな依頼が来るようになります。
実はわたしは初めからロボットクリエーターを目指していたわけではありません。最初は文系の学部に進みました。しかし、就職するころに、そもそも自分は何がやりたいのかと考えた結果、センター試験を受け直して、京都大学工学部に受かり、ロボットの分野に進もうと決めたわけです。そのころの京都大学には、大学発ベンチャーを応援する仕組みができていて、学内入居ベンチャー第1号として、ひとりでスタートしました。
人型ロボットの最大の役割は、人とコミュニケーションすること、お話をすることです。だからこそロボットは、人の形をしている意味があります。人の形をしていると、話しかけようと思えるのです。将来は、スマートフォンに手足が生えたくらいのサイズのロボットを胸ポケットに差して、話をしながら毎日暮らす、そういうふうになると思っています。
お伝えしたいのは、「遊びごころを持つクリエーティビティ」の大切さということです。安直なニーズから出発するロボット開発からは創造性が失われ、それ以上の広がりはありません。面白いものを作って、それがやがて人のためになるほうが、産業として成長する可能性があります。15年後、みんなが一人一台のロボットと暮らす日が来ると思います。楽しみにしていてください。