2009年度入試で何が問われたか<理科>
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難関国・私立中学受験の指導に定評のある先生による、2009年度入試問題の分析をお届けします。
出題形式、分野、頻出キーワードなど、さまざまな角度から分析し、何が問われたのかを解説しています。国語、算数、理科、社会の入試のポイントをご紹介していきますので、ぜひお役立てください。
首都圏10校の入試分析<理科>
首都圏10校の2009年度入試問題の分析結果をもとにした、Tサイエンス主宰の恒成国雄先生による、理科入試の出題傾向と今後の対策についてのお話です。
(以下は、2009年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの講演を抄録したものです。)
(1)問題形式
通常、模擬試験では、理科は40題くらい出題されます。しかしながら実際の入試問題は、学校によってかなりのバラつきがあります。今回分析した10校のうち、最も問題数の少ない栄光学園では14問であり、最も多いフェリス女学院では56問でした。問題の種類を「記号・用語・数値」と「記述・作図」に大別すると、麻布・武蔵・栄光・フェリスは、「記述・作図」の出題率が大きく、たくさん書かせる学校だといえます。それ以外の筑波大学附属駒場・開成・駒場東邦・桜蔭・女子学院・雙葉は「記号・用語・数値」の出題率が大きい学校といえます。

※グラフのカッコ内の数字は、解答数を表しています。
(2)設問内容
設問内容を「知識・一般教養」と「計算・思考」に分けると、麻布・駒場東邦・栄光は「計算・思考」分野の出題率が大きく、重視していることがわかります。特に思考分野では、考える力や読解力も必要とされますので、算数・国語の力も要求されます。「知識・一般教養」の出題率が大きい筑波大学附属駒場・開成なども、受験者は皆「知識・一般教養」分野では95%くらい正解してしまうので、結局差がつくのは「計算・思考」分野となります。

※グラフのカッコ内の数字は、解答数を表しています。
(3)合格するためにはどのくらいの能力が必要か?
記述力と思考力が必要とされているのが武蔵と栄光です。細かい知識は知らなくてもよい、とにかく自分で考えて書きなさい、という出題です。栄光は今年、知識分野の問題が1問も出題されませんでした。麻布も同様に考えて書かせるという問題が伝統的に出題されています。一方、フェリスは覚えていることを書かせるタイプです。それ以外の学校については、知識力・記述力・思考力・計算力・データ処理力・一般教養がある程度まんべんなく必要とされている傾向が見られます。

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