二番手校の効用[中学受験]

先日、我が子を含めた友人知人の子どもなど身近な人々と、たまたま大学入試結果の話になった。
そのうちの何人かは、いわゆる二番手校から東京大学に受かったことがわかったのだった。

二番手路線の子どもたちは、中学入試ではそのもてる力を十分に発揮できるまでに至っておらず、一番手校は落ちるべくして落ち、二番手校に無理をせずに進学。中学入試では入りやすいところにとりあえず入った形になっていたようである。
そして成績はほぼトップ層。
しかしながらガツガツと受験勉強をしなかったためあと数点で東大不合格。一浪して余裕で東大合格、という経緯である。
彼らに共通するのはその悠然とした構えであって、かなりハードな中高一貫塾に中1から通って勉強につぐ勉強という、中高一貫生にありがちなスタイルをとっていないことである。

ただし、いずれも私の知人である彼ら東大合格者の父親たちは、実はベテラン受験指導者でもある。
しかし自ら直接、子どもの勉強を指導したということではなく、コーチであり、アドバイザーのような役回りに近いという。
つまりポイントを抑えて要領よく勉強させることにかけてはプロがついていた、と言うべきだろう。
確かにそうした好環境にあったとは言え、彼らにとっては二番手校というポジショニングも学習面でよく働いていると考えられる。

というのも、一つには一番手校に進学していたらどうだったかわからないが、二番手校であったために学校内の成績が常に上位をキープできたことである。
学校の成績を上位でキープすることは極めて大事な学業面での正攻法であって、その成功への寄与度は高い。

二つには、大学入試でリベンジをする、という意識が子どものほうにもあって、十分に学習が動機付けられており、かつアグレッシブになれた点が大きい。
これが一番手校だったらそこまでアグレッシブになれなかったかもしれない。むしろついていけなくて、かなり早くから挫折を味わうことの危険さえある。
このように二番手校の持ち味を活かし得たことが成功につながった。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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