【高1保護者応援】教えて!進路プロVOL.6 テスト後こそ保護者の出番!?

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高1保護者の今知りたいことにタイムリーにお答えするこの連載、今回のテーマは高校初の定期テスト後の振り返りです。テストの結果が想像より良くても悪くても、ここでの保護者の声かけはとても重要。お子さまが自分から間違った箇所を復習したくなる声かけのヒケツを進路のプロに取材しました。テストが戻ってくる前に心の準備をしましょう。

この記事の登場人物を紹介します。

テスト前より後の声かけが命

編集N:息子さんついに高校初の定期テスト期間に突入ですね~!
編集H:ええ、高校初の定期テストだから、どんな点を取ってくるのか気になります。保護者としては成績表を見てどんなリアクションをすればいいのかしら?
進路情報のプロ 西野(以下西野)保護者のフォローは、テスト前よりもテスト後が大事だと私は思っています。

編集H:テスト後が大事!? ……高校に入ってから勉強には干渉すまいと決めていたけど……もしかして……。

西野:以前もお話ししましたが高校で初めてのテストの結果は、一番お子さんの感情が動くタイミングです。初回の結果をどう受け止めて親子でどんな会話をするかが、お子さまの次のテストへのモチベーションを左右すると思います。

編集N:確かに定期テストも回を重ねるほどだんだん慣れて点数を気にしなくなりますもんね。

  • 保護者の声かけはテスト前より後が大事!
  • 初めてのテスト後は子どもの感情が一番動く。

編集H:ど、どんな会話すればいいんでしょう?
西野:保護者も本人も成績表の中でできなかった科目にばかり目がいくものだと思います。でもそこは置いておき、真っ先に複数の科目の中でよくできているところを探して声をかけてほしいです。

編集H:先によくできているところを?

西野:そう、「この科目は強いね」とか言ってあげてください。なぜそれが大切かというと、高1の最初のテストで1科目でも「これは得意」という科目ができると他の科目にもいい影響を与えるからです。いいところって人から言ってもらわないと気付けなくて自信が持てないですしね。

編集N:でも急にいい親になったら、息子に何か裏があると疑われないかなあ……。

西野:大丈夫。ほめられて嫌じゃないと思いますよ。

  • 先にポジティブなところに注目して言葉に出す。
  • 最初のテストで1科目でも得意ができるとモチベーションにつながる。

できなかったところは責めずに伸びしろととらえる

編集H:親としては「間違ったところを見直しなさい」って言いたくなりますけどね……。
西野:いろいろ言いたいことはあると思います。でもそこは親の腕の見せどころで、本人から「見直してみよう」と言わせたいところですね~。
編集H:え~~~っどうやって?
編集N:そんなこと言ってくれたら奇跡なんですけど……!
西野:まずは保護者のかたもお子さんも、得点できなかったところを「伸びしろ」と前向きにとらえる必要があります。できなかったことを「ダメ」とネガティブにとらえるとなかなか復習する気持ちになれないですから。

編集H:確かに伸びしろととらえるとあんまり落ち込まないし、前向きな気持ちになれますね。

西野:今の教育現場では、先生たちもテストや模試は「伸びしろを発見するもの」、という見方をしていますよ。

編集N:でもうちの子、答案を見せてもらう時、「できなかったところ」をなんでもかんでも「ケアレスミスだった」で片づけようとするんですよね。下手すると英語の長文読めないことまでケアレスミスだと。

編集H:あっうちの子も!!

西野:でもその「ケアレスミス」こそ、最も伸びやすい伸びしろですよ。

編集H:えっ!? 本人が言っている自称ケアレスミスも含めてですか?
西野:ええ。ケアレスミスと言っている部分は、本人にとって次に出た時は解けると思う、手の届く問題ですよね? いきなりまったくわからなかった問題を復習するより、そういうところだけでも復習すれば 階段を1段上がれるんですよ。

編集N:なるほど。

  • ケアレスミスこそ伸びしろ。
  • たとえ「自称ケアレスミス」でも伸びしろ。

西野:本当は間違ったところは100%見直すのが理想です。でもそれが無理であれば、ケアレスミスだけでも見直したくなる会話を工夫してみてほしいです。

編集N:それはたとえば……「そこケアレスミス? 惜しかったねー。じゃあそこは次回の伸びしろだねー」のような?

西野:そうですね。「惜しかったね」は、いいフレーズです。本当はできたのに、という本人の言い分をちゃんと認めてあげている感じがします。「本当はできたのにね」「今回のこれはあなたらしくなかったね~」などと保護者が本気で言ってくれると、お子さまも次はがんばろうと思えるはずです。

編集H:え、でも「本当はできたんだ」ってほっとしてそのまま放置にならないでしょうか。

西野:間違った所をネガティブにとらえると、答案を放置したくなるかもしれません。でも間違った箇所を「伸びしろ」と前向きにとらえることができれば、振り返りのモチベーションも上がります。テストの振り返りがどれだけ大事かは学校でも言われているでしょうし、「高校別担任コーチ」がお子さまに発信してくれていますよ。

※<高校別担任別コーチとは>受講教科にかかわらず、スマートフォン利用のかたは「高校生サクセスナビ」から、パソコン利用のかたは「会員ページ」で利用できます。
※高校名を「ゼミ」に登録するだけで、お子さまの高校の授業やテストの特徴に合った学習法や、進路選択・やる気UPのアドバイスをお届けしたり、コーチに質問・相談できるサービスです。
※「ゼミ」に登録したお子さまの高校出身・高校と同じ地域出身、またはお子さまの高校と同地域の大学に通う大学生などが担当。一部の高校は地域にかかわらず、その高校の特性にあったアドバイスができる大学生などが担当します。

編集H:そうか~。じゃあ「振り返りが大事だよ」の声かけは担任コーチにお任せします。
編集N:ちなみに教科別の振り返り方も具体的にアドバイスがあるんですか?
西野:もちろんです。「高校別担任コーチ」は教科別の優先すべき復習の仕方も発信していますから、お子さまが読んでいないようなら、ぜひおすすめしてほしいです。

★5/22更新「英語」のアドバイス例

※定期テストの時期が遅い高校では5月22日は「テスト勉強が計画通りに進んでいないときの対処法」、6月5日に「テストの振り返り法」を配信しています。

※閲覧には「まなびの手帳」アプリにお子さまの会員番号の登録が必要です。

編集H:よし、じゃあ定期テストが戻ってくるまでに、「この教科、得意だね」って指摘する練習しとこ。
編集N:私も高2の息子に「なんでここできなかったの!?」とかうっかり言わな~~い。

まとめ & 実践 TIPS

お子さまの高校初の定期テストが戻ってきた時こそ、保護者の声かけがとても大事です。
保護者も本人も、できなかったところに注目しがちですが、複数科目の中から真っ先に「良かったところ」を見つけて、「(科目名)、得意だね」などとがんばりを認めてあげましょう。1科目でも得意科目があるとそれがお子さまの自信になり、他教科の学習のモチベーションにもつながります。
また保護者のかたが率先して、間違ったところは「伸びしろ」と前向きにとらえた会話を心がけると、お子さまも前向きに復習に向き合えます。
テストの振り返りの大切さや効果的な教科別の復習方法は、お子さまの「高校別担任コーチ」が具体的に教えてくれているので、お子さまにぜひすすめてみてください。

プロフィール

ベネッセコーポレーション
進研ゼミ高校講座進路指導センター

西野貴昭

20年以上にわたり高校生の進路選択・大学受験支援に従事、全国の高校生からの進路・学習法相談を多数受けてきた実績を持つ。現在は進研ゼミ進路教材開発、進路セミナー講師を務める。

プロフィール


編集・ライター 長谷川ヨスコ

進研ゼミ「高校講座」では進路や勉強法に関わる取材・記事、漫画のシナリオを多数執筆。「高校別担任コーチ」など、進研ゼミ卒の現役大学生の方々の勉強法や進路選択のアドバイスを取材するたび、「自分が高校生の時にこんな先輩たちに出会いたかった…」と心から思っている。

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