「自分で学ぶ力」が問われるコロナ後の学び(2) 必要な学習量は? ベネッセ教育総合研究所が子どもの生活・学びの困りごとに応えるシリーズ(14)

多くの地域で休校措置が解除されましたが、感染リスクの点からすぐに以前と同じ学習環境に戻るのは難しい状況です。自治体や学校の対応も全国一律ではなく、バラつきが出る可能性が高いでしょう。そのような状況下で、子どもの家庭学習をどう考えたらいいのでしょうか。ベネッセ教育総合研究所/チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)の木村治生・主席研究員が、お話ししていきます。

●自分に必要な学習時間を設定しよう

休校措置が解除されても、新型コロナウイルスの感染リスクがあって、以前と同じ学習環境にすぐに戻るのは難しい状況です。ウィズコロナといわれる今は、「自分で学ぶこと」の重要性がますます問われます。

では、子どもたちは、どれくらいの時間、勉強すればよいものでしょうか。
図をご覧ください。新型コロナウイルスが流行する前の子どもたちは、学校で4時間半から5時間ほど学習をし、宿題を含めた家庭学習は1時間から1時間半というのが平均的でした。これを踏まえると、学校と家庭をあわせた1日の学習時間が、5、6時間になるのが理想です。可能であれば、この5、6時間から学校で学んだ時間を引き、残った時間を家庭学習で補うといいと思います。
ただし、生活編「生活リズムをどう整えるか?(後編)」(https://benesse.jp/kosodate/202006/20200609-1.html)でお話ししたように、計画は余暇も含めて無理のないものにし、子ども自身が決めることが重要です。また、休日も勉強する場合は、1日あたりの学習時間は、もっと短い時間でも構いません。反対に、受験を控えているような場合は長めの学習時間を設定するなど、事情にあわせて調整するようアドバイスしてあげてください。

次に学習内容ですが、これは、学校から出された課題を中心に考えるといいでしょう。それで不足するようならば、問題集などで補填します。ただし、いろいろな教材に手を出すのではなく、一冊を順にやりきるのがおすすめです。取り組んだ成果を見える形で残しておくことが、とても大切です。

●自分の学びを見つめ直すチャンス

今の状況に、強いストレスを感じている子どももいます。そうした子どもに無理に勉強をさせるのは、あまり良いこととは思えません。しかし、子どもの様子が落ち着いているようであれば、今は、自分にあった学びのあり方を、親子で振り返ったり考え直したりするチャンスといえるかもしれません。自分で目標を設定し、それをこなすための時間を管理し、学習した内容を振り返って修正できるようになる。それが、自分で学ぶ力を高める基本です。この機会にご家庭で、そのような力をつける練習をしてみてください。

上記記事はベネッセ教育総合研究所が運営するチャイルド・リサーチ・ネット(CRN)に掲載した動画をもとに作成したものです。
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)は「子どもは未来である」という理念を掲げ学際的、国際的な活動を推進する、インターネット上の「子ども学」研究所です。ベネッセ教育総合研究所の支援のもと運営されています。

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プロフィール


木村治生

東京大学社会科学研究所客員准教授(2014~17年)・客員教授(2021~22年)、追手門学院大学客員研究員(2018~21年)、横浜創英大学非常勤講師(2018年~22年)。
これまで、文部科学省、経済産業省、総務省などからの委託研究に携わるとともに、文部科学省審議会委員、独立行政法人国立青少年教育振興機構事業選定委員、内閣府調査企画委員会委員、埼玉県草加市教育委員会専門部会委員などを務める。
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