夏休み・子どもに学習習慣を身に付けさせるためには【前編】

夏休みという長期休暇の中で、子どもに生活も学習もしっかりさせたいというのは、多くの保護者のかたの悩みだと思います。そこで、今回はベネッセ教育情報サイトの人気コーナー「教えて!親野先生」でおなじみの親野智可等先生に、子どもが学習習慣を身に付けられる工夫について教えていただきます。

夏休み・子どもに学習習慣を身に付けさせるためには【前編】


時間の管理力をUPさせる工夫

まずおすすめしたいのが、夏休み全体の予定表を作り、時間を「見える化」するという「合理的な方法」の工夫です。
たとえば、8時半に勉強を始める場合、時計の横に時計の絵(模擬時計)を貼っておきます。模擬時計の針は8時半、そばに「勉強開始」と書き添えます。これが時間の「見える化」です。こんな風に時間を見せられると、人はその時間を無視できなくなるものです。

夏休みの場合は、予定表を作り休み全体を「見える化」することがとても大事です。まず、カレンダーなど7月と8月が見渡せるものを並べて目につく所に貼ります。次に、休みを大きく4つ位の期間に分け、「宿題は7月、自由研究はお盆までに」など、やる時期を決めて書き込み「見える化」します。こうすると、子どもはどの時期に何をやればいいのか、全体の見通しを立てられるようになります。一日の予定を大きめのホワイトボードに書き込んで、一日を「見える化」することも大切です。時間や時期を「見える化」することは、時間の管理力UPに役立ちますよ。

予定表は、何を優先させるか納得いくまで相談して作ってください。もしうまくいかなかったら、もう一度話し合って軌道修正すればいいんですよ。ここで一番重要なのが、決めたことが守られているか保護者が「見届け」をして、できていたらほめる、できていなければ守ろうよと声をかけることです。うまくいかない一番の原因は、保護者の「見届け」がおろそかになることです。保護者用の「見届け表」を作って、忘れずに「見届け」てあげてください。

やる気をUPさせる「言葉」の工夫

もう一つのおすすめが、「ほめる」「共感する」などの「言葉」の工夫です。
夏休み前にぜひやってほしいのが、1学期にがんばった所をほめてあげることです。そうすると、子どもはプラス思考で1学期を振り返り、やる気が出た状態で夏休みを始められます。「1学期は漢字がダメだったから毎日15分の書き取りをやろう」では、やる気が出ません。まず「1学期は算数をがんばったね」とほめてあげ、そのあとで足りなかったところを振り返り、「夏休みは漢字をがんばろうか」とつなげましょう。そして、「毎日15分書き取り」と決めたら、がんばり表を作り、「進んでできたら花マル」「言われてできたらマル」など、努力を見える化するようにします。

また、「暑いから勉強できなーい」と子どもがグチをこぼした時、「何言ってんの!」と否定するのではなく、「ホントに暑いねー」と、まず共感してあげてください。共感することで、子どもの気持ちが落ち着き、聞く耳を持ちやすくなります。否定的な言葉はやる気をなくすだけです。できるだけ肯定的な言葉で、気持ちを高めてあげてください。
「半分だけやっておこう」とか「手伝ってあげるから一緒にやろう」など、取り掛かりのハードルを下げると効果的です。それでやり始めればエンジンがかかります。
「合理的な方法」と「言葉」の工夫によって、子どもが少しでも楽に学習できるようになるといいですね。

次回は、学習習慣を定着させるための工夫について紹介します。


プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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