積極的に友達と遊ばなくなってしまいました【前編】[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学6年生の息子についてです。ここ1年くらいのことですが、友達と積極的に遊ばなくなってしまいました。かといって学校でトラブルがあった風でもないのですが、とにかく帰宅してから遊びに行かなくなってしまったのです。ゲームは1日30分までと決めているため、宿題をやって遊びに行って帰ってきて、さらにゲームをするのが大体日課になっていたのに。友達と遊ぶのは楽しいと言いますが、わざわざ遊びに行くほどではない、とも言い、家では妹(小1)相手に遊んでいることが多いです。密な人間関係を作れずにいるのか、単に気の合う友達がいないだけなのかがわからず、このまま放っておいていいのか、焚(た)きつけてなるべく外に出してしまうのがいいのか迷っています。(ぶらんこ さん)

 

【親野先生のアドバイス】

ぶらんこさん、拝読いたしました。

親としてはとても心配になりますね。
高学年になると、子どもの人間関係も広くかつ複雑になってきます。
その分、親から見えない部分も増えてくるわけです。
それに、子ども自身も複雑になり、何を考えているかわからなくなります。

このご相談の子のような場合、いくつかの可能性が考えられます。

 ア)友達に避けられているわけではないけど、別の理由で遊びたいのに
  遊べない

  たとえば、仲のいい子が転校してしまったとか、塾や習い事などで遊ぶ時間が
  合わないなどの理由で遊べないのかもしれません。
  または、自分から友達に話しかけたり誘ったりすることが苦手ということがある
  かもしれません。

 イ)何かの理由で友達に避けられているので、友達と遊びたいのに遊べない
  もしかしたら、トラブルがあったのかもしれません。
  または、本人に避けられる要素が出てきたのかもしれません。

 ウ)内向的になってきて、友達と一緒にいるより一人でいるほうがよくなって
  きたけど、必要に応じて友達と遊んだり協力して活動したりすることはできる


 エ)そもそも友達を欲しがらなくて、一緒に遊んだり協力して活動したりする
  気もない


(今回のケースは、「ここ1年くらいのことですが、友達と積極的に遊ばなくなってしまいました」とのことなので、このエ)には当てはまらないようです。)

まずは、お子さんがこの中のどれに当てはまるのかを探る必要があります。
子どもの実状、「本当のところはどうなのか?」を知ることです。
それによって対応の仕方が変わってきます。
というより、これさえわかれば、自ずと対応の仕方は決まるとも言えます。

これをやらないまま対応すると、的外れの対応になってしまう可能性があります。
それを知ることが、まず第一歩です。

そのためには、次の五つのことをやってみてください。
 1)子どもの友達関係を自分の目でよく観察する
 2)子どもの話から分析する
 3)わが子に関わってくれている大人、または、過去に関わってくれた
  大人から聞く
 4)同じクラスの子に聞く
 5)同じクラスの子の親に聞く


まず、1)の「子どもの友達関係を自分の目でよく観察する」についてです。
学校・塾・習い事・近所などで、子どもが友達といるところを自分の目でよく見てみてください。
その時、ただ漠然と見るのではなく、「上記のどれに当てはまるか」という視点で見るようにしてください。

視点を意識して注意深く見ていると、いつも見えないものが見えてくることはよくあることです。
「そんな機会がない」という人もいるかもしれません。
そういう場合は、あえて機会を作る努力も必要です。
つまり、見に行くのです。

学校では授業参観がとてもいい機会です。
もちろん、授業参観以外でも何かしら理由をつけて見に行くといいでしょう。
その際、大事なのは、授業中よりもむしろ休み時間や放課後や下校中の様子です。
そういう時間のほうが、素の姿が表れるからです。

次に、2)の「子どもの話から分析する」についてです。
子どもの普段の話を聞く時に、「上記のどれに当てはまるか」という視点を持って聞いていると、今まで見えなかったことが見えてくることもあります。
子どもが何気なく言った話の中から、ヒントが拾えることもあります。

場合によっては、こちらから意図的に聞くのもいいでしょう。
聞き方としてよくあるのが、直接的に「学校で友達いるの?」「休み時間には誰と一緒にいるの?」などと聞く方法です。
でも、これだと、高学年の子は警戒して素直に答えないこともあります。

そこで、おすすめなのが、もう少し間接的な切り出し方です。
たとえば、まず「お母さんが子どものころは、昼休みの遊びの定番は『ケイドロ』だったな~」「お父さんは、昼休みに一人で本を読んでることが多かったな」というように、自分たちが子どものころの昼休みの話をします。
そして、自然なおしゃべりの中で子どもが自分の昼休みのことを話せるようにもっていくのです。

また、たとえば、「お母さんが子どものころの友達にAさんという子がいて……」「お父さんの親友はB君という子で……」というように、自分たちが子どものころの友達の話をします。
そして、自然なおしゃべりの中で子どもが自分の友達のことを話せるようにもっていくのです。
または、「このごろC君はどう? 元気にしてる?」などと話を振るのもいいでしょう。

ただし、この時「C君と仲良くやってる?」という聞き方だと直接的すぎるので気をつけましょう。
こういう微妙な違いが意外と大切です。

……この続きは次回で紹介します。


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プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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