小2の息子が友達に誘われ万引き。注意したけど……【後編】[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学2年生の息子が、近所の同学年の友達と遊んだときのできごとです。近くのスーパーへ二人で行き、息子は友達にお菓子を取ってくるよう強要され、拒否できずに万引きをしたようです。でも、万引きした物はすでに食べたようでありませんでした。帰宅後、話を聞いて怒り、その友達とも遊ばせていません。一応、息子と話はしたのですが理解できてるのか……、誰にも相談できず困っています。いいアドバイスお願いします。(トマピーくん)

 

【親野先生のアドバイス】

万引きの事実を確認する方法として、その友達や親に聞くということも考えられます。でも、これはなかなか難しいことでもあります。その友達や親がどういう人かにもよりますし、こちらとの信頼関係の度合いにもよります。

話をきちんと受け止めて、冷静に前向きに対処してもらえそうなら、相談してみるといいと思います。そうすれば、真相もわかりますし、お互いの家の協力のもとに今後の指導を進めていくことができます。そして、その友達のためにもなります。

それが、可能なようでしたら相談するといいでしょう。その際は、一にも二にもしたてにでることが大切です。間違っても「うちの子がお宅の子に強制されて万引きを……」という切り出し方ではいけません。「突然で申し訳ないのですが、ご相談したいことがあります」という感じで切り出してください。

「実は、本当のことかどうかわからないのですが、うちの子が言うには……」くらいの感じです。たとえ、内心では「お宅の子のせいで……」という気持ちがあっても、そんなことは絶対に表に出してはいけません。

このようにして、相手の家の協力を得て事実が確認できれば一番いいのです。でも、それが無理な場合は「初めてなのか」とか、「友達に強制されたのか」などという点についての事実がうやむやになることもあり得ます。でも、その場合でも、絶対にやるべきことがあります。これは、子どもが言ったとおりであった場合も、または少し嘘を言っていた場合も、いずれの場合も同じです。

それは、そのスーパーに謝りに行くことです。これは絶対に必要です。子どもが事の重大さを認識し、「もう二度と万引きをしない」と決意させるために必要なのです。

一番いいのは子どもと両親が揃って行くことです。しかも、きちんとした服装で行ってください。これらは、いずれも、事の重大さを子どもに認識させるために必要なのです。それと、事前にそのスーパーの店長さんに連絡をしておくことです。まず、事情を説明して、親子で謝りに伺いたいと伝えます。比較的手の空く時間帯がわかればその時刻に時間をとってもらいます。スーパーに行ったら、お客用の入り口でなく裏の業務用の入り口から入ったほうがいいでしょう。そうすれば、静かな応接室や事務室で話をすることができます。

店長さんに会ったら、親子でしっかり謝ってください。親が謝る姿をきちんと子どもに見せることがとても重要です。自分の親が、自分のことで他人に一生懸命頭を下げる姿は、子どもに強い印象を与えます。子どもは親の愛情を感じ、心の中で「もう二度とやらない」と決意するのです。そして、この親の姿は子どもの心に残り、いざというときの心のブレーキにもなるのです。

もちろん、子ども自身が自分の言葉で謝ることも大切です。きちんと謝って、「もう二度としない」と誓わせることです。代金の弁償も、子どもの財布からさせるほうがいいでしょう。自分の財布から自分の手で出して払わせてください。

最初にも言いましたが、子どもの万引きは、親にとってとても辛いことです。でも、気持ちを切り替えて、これを一つの機会として生かす決意をしてください。どうするのが子どもにとって一番いいのか、しっかり考えて実行してください。

最後に一つ、心に留めておいてほしいことがあります。それは、子どもの心の満たされない部分が万引きを引き起こすことが往々にしてあるということです。次のような場合は注意が必要です。

 ・いつもガミガミ叱られている
 ・小言ばかり言われている
 ・ダメと言われることが多い
 ・しつけが厳しすぎる
 ・スキンシップや触れ合い、コミュニケーションに飢えている
 ・親に放ったらかしにされている
 ・親に信用されていないと感じている
 ・親にダメな子だと思われている
 ・苦手なことで注意されてばかりいる
 ・ほめられたことがない

一言で言えば、子どもが親の愛情を実感していない状態です。このようなことに当てはまっていないか、もう一度振り返ってみることをおすすめします。親は子どもを愛しているつもりでも子どもは親の愛情を実感していない、ということは実によくあることだからです。


私ができる範囲で、せいいっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。トマピーくん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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