大勢の子どもに悪口を言われ、からかわれ、笑われています[教えて!親野先生]

今週の相談

 

1年生のときから、学校で大勢の子どもに悪口を言われ、からかわれ、笑われ、自分の意見はいつも認めてもらえず、非常に惨めな思いをずっとしています。ほんの数人の友達はいるものの、交友関係がそれ以上発展することもなく、子どもは絶望的な人生観をもっています。何をやってもどうせだめ、そんなの無理と最初から諦め、目標ももてず、意欲もまったくありません。疲弊しきっています。転校を考えた方がよいのでしょうか。以前はかわいいよく笑う子だったのが、今では見た目も惨めで暗い感じが漂う子になってしまいました。先生は優しく相手の子に言うのみで、効果はまったくありません。相手の親も自分の子がそんなことをしているとは信じず、娘がうそをついていると主張し、そのうそを鵜呑みにする私の教育がおかしいと非難してきます。八方塞がりです。どうしたらよいでしょう。子どもの今後の人生に大きく関わってくることなので、ぜひとも良いアドバイスをお願いします。切実です。(開け世界のごまさん)

 

【親野先生のアドバイス】

開け世界のゴマさん、拝読いたしました。

「1年生のときから、学校で大勢の子どもに悪口を言われ、からかわれ、笑われ、自分の意見はいつも認めてもらえず、非常に惨めな思いをずっとしています」

こういう状態はとてもつらいですね。5年生ということは、すでに5年間もそのような状態でいるわけです。親としては、もう放っておけないという気持ちだと思います。もしかしたら、いまだに気がついていないようなことで、原因になっていることがあるのかもしれません。そして、それは本人にあるのかもしれませんし、相手にあるのかもしれませんし、両方にあるのかもしれません。それをいろいろな角度から探ってみることをおすすめします。原因がわかれば、それに対する対応方法が見つかるはずです。

次のようにして、情報を集め、原因を探ってみたらいかがでしょうか?

  1. 友達からどのようなことを言われたか、子どもに聞いて記録していきます。録していくと、一定の傾向がわかってくるかもしれません。そこに今までわからなかった原因が見つかることもありえます。
  2. 誰から言われたかも記録していきます。だんだん中心になっている子がわかってくるかもしれません。
  3. 数人いるという友達に、話を聞いてみるといいと思います。自分の子どものことと、いじめてくる子のことの両方について、比較的客観的な情報が手に入るのではないでしょうか。
  4. その数人の友達の親に聞いてみるのもいいでしょう。日ごろから聞いている子どもたちの様子を教えてもらえると思います。友達の親に聞いて、わが子のことがわかったということは、よくあることです。
  5. 担任から話を聞くことも必要だと思います。こういう場合は、お互いに腹を割って話をすることが大切です。万が一、問題解決をすることができない先生だとしても、そこから情報を引き出すことはできるはずです。
    元の担任に聞いてみるのもいいかもしれません。もう担任ではないということで、当時は言えなかったことを言ってくれるということもありえます。または、保健の先生もいいかもしれません。保健の先生は、ときに担任よりも子どもたちの人間関係をつかんでいることがあるからです。このような方法で、情報を集めてみたらいかがでしょうか?そこから原因がわかれば、何かいい方法が見つかるかもしれません。ここまで、情報を集めて原因を探り対応することをおすすめしましたが、ほかにも、次のようなことをやってみたらいいと思います。
  6. ほんの数人いるという友達を大切にして、今よりもっと仲良くなれるといいですね。まず、そのことをお子さんに話してやるといいと思います。ほんの数人とはいっても、まったくいないよりははるかにいいと思います。その関係を今より強めていくことが、お子さんにとって一つの支えになるのではないでしょうか。
  7. そのときに、意識的にその親たちと仲良くなっていくというのもいいのではないでしょうか。つまり、共同戦線のようなものです。お互いに親子ぐるみでお付き合いすることで、親密さをより深めることができると思います。
  8. 親子の悩みの深刻さを心から訴えることも必要かもしれません。もしかしたら、先生はそれほど深刻なことと思っていないのかもしれません。先生にことの重大さを理解してもらって、真剣に対応してもらうことで、解決することもあるはずです。
    担任に言っても効果が出ないときは、学年主任、教頭、校長、保健の先生、そのほかの信頼できる先生などに相談することも考えられます。またその際は、学校側に「苦情を持ち込まれた」という感じで受け取られないようにすることが大切です。そうすると、解決を図るよりも守りに入ってしまうということも考えられます。とにかく、親子の悩みの深刻さを心から訴えて、共感してもらうことが第一歩だと思います。共感してもらえれば、真剣に取り組んでくれるはずです。
  9. 学校以外の場所で、いろいろな人間関係を作っていくこともいいと思います。塾、習い事、子どもカルチャーセンター、スポーツ少年団などなど、いろいろあると思います。そこでできた友達が心の支えになるかもしれません。その際、同じ学校の子がいないところの方がいいかもしれません。

「子どもは絶望的な人生観をもっています。何をやってもどうせだめ、そんなの無理と最初から諦め、目標ももてず、意欲も全くありません」

これはいつも私が言っていることですが、お子さんが好きなことや楽しんでやっていることをほめてやって自信をもたせることが大切だと思います。場合によっては、友達などの人間関係に頼らないで、自分自身だけでも楽しく生きていく方法を探すことも必要だと思います。「自分にはこれがあるから友達なんかいなくても平気だよ」と言えるくらいのものをもつことができれば、強いと思います。とにかくその子が好きなことや楽しそうにやっていることを、ほめて伸ばしてやるのです。親の目から見るとつまらないことでもいいのです。些細なことでもいいのです。子どもが自分の生き甲斐になるものを持てるように、支援してやるといいと思います。

「転校を考えた方がよいのでしょうか?」

場合によっては、これも必要かもしれません。転校すれば、今までの人間関係をすべてリセットして、新しい第一歩が踏み出すことができますから。これで一気に解決ということもありえます。ただし、本人自身に大きな問題がある場合は、転校先でもやがて同じようなことになるということもありえます。

本人に大きな問題がある場合は、それを直してやることが必要です。担任や保健の先生などにも相談しながら、すすめるといいでしょう。さらには、専門的な判断、診察、治療が必要になることもあります。専門家としては、たとえば、心理カウンセラー、心理療法士、臨床心理士、小児科医、小児精神科医、心療内科医などです。

敷居の低い相談口としては、担任、養護教諭、市町村の教育委員会などがいいと思います。担任や保健の先生は専門家ではありませんので、専門的な内容には応じられません。ですが、どこに相談や診断を求めればいいかという提案をすることができると思います。また、市町村の教育委員会には専門家がいますので、そこに相談すると話が早いかもしれません。

私ができる範囲で精いっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。開け世界のごまさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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