子どもの耳掃除は必要? 耳のケアはどうすればいい?
子どもの耳掃除はしないほうがいい、したほうがいい、するなら耳鼻科に連れて行ったほうがいい…などなど、子どもの耳掃除についてはいろいろな説があるようです。どんなことにも言えることですが、耳掃除についても答えはひとつではありません。
耳垢=悪いもの、絶対に取らなければならないものではない
耳掃除は耳に溜まった「耳垢」を取るために行います。実は、耳垢は単純な「耳のゴミ」ではありません。古くなった皮膚やホコリなども含まれているのですが、含まれている成分には「雑菌の繁殖を防ぐ成分」が含まれていますし、鼓膜を乾燥から守る役割もあると考えられています。完全に取り除くのは耳の健康上よくないことだと、まずは理解してください。
ですから、誰にとっても毎日耳掃除をする必要はほとんどありません。子どもであれば月に1度か2度で十分だと言われています。「お風呂上りに毎日しっかり」というやり方はおすすめできません。
まずはわが子の耳の形や耳垢のタイプを知ろう
耳垢にはさまざまなタイプがあります。よく「カサカサタイプ」と「しっとりタイプ」などに分類されますが、さらに細かく言うと、
A.耳垢が粉のようになるタイプ
B.耳垢が抜け殻のように薄い皮状になって耳の中に張り付くタイプ
C.水あめのようにとろりとしているタイプ
D.水あめほどではないかしっとりとして、耳垢がまとまってしまうタイプ
などがあるのです。どんな耳垢かを考えると、タイプによっては「お風呂に入れば割と勝手にきれいになってしまう耳」「耳垢が耳を塞ぐような溜まり方をしない耳」があることがわかります。
比較のうえで、ということですが、AやCのようなタイプであれば、耳垢が溜まっても耳を塞いでしまうことはあまりなさそうです。しかし、BやDのような耳垢で、かつ、耳の穴が小さかったり狭かったりすれば、耳垢が耳を塞いでしまうこともあるかもしれません。
耳垢が溜まって困るのは、耳を塞いでしまうこと。そして、水分も耳の中に溜まりこんで出にくくなり、雑菌が繁殖してしまうことです。ですから、BやDのようなタイプの耳垢であれば、少し気をつけて耳の中を見てあげる必要があります。耳掃除の回数も少し増やしてあげましょう。
思いのほか小さな耳の耳掃除は危険…耳鼻科を頼るのも正解
耳掃除は綿棒を使い、目に見える範囲の深さまでをきれいにする程度で十分です。耳垢はもっと奥にあるのに…と思うかもしれませんが、綿棒を奥に差し込んでしまうことでさらに耳垢を奥に詰め込んでしまう可能性が高いのです。また、耳掃除で鼓膜に傷をつけてしまった、という事故も全国で多発しています。時々は自宅で浅いところだけ掃除してあげて、気になるようなら3ヵ月に1回くらい耳鼻科で診てもらうのもいいかもしれませんね。その際には、
・どの程度の頻度で耳鼻科を受診すべきか
・家ではどのようにケアをすればいいか
を確認してみてください。子どもは中耳炎などにもなりやすく、また聞こえに問題があっても周囲の大人が気づきにくいこともあります。あくまでも「耳全般に関するチェック」として定期的に耳鼻科を受診することは、おすすめです。