保護者はみんな「比べる病」 専門家が子育てにアドバイス
親はついつい自分の子どもをよその子どもと比べがちだ。そんな時、「なぜ、うちの子はできないのだろうか?」と我が子に疑問を感じてしまうことも少なくないだろう。保護者の悩みに教育評論家の親野智可等氏が答えた。
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【保護者の質問】
よく家に来て一緒に遊んだり勉強したりする息子の友達に比べ、うちの子はだらしがなく、ノートの字は雑、勉強はできない、片付けも下手ときています。男子と女子なら、男子だからしょうがないと思えるのかもしれませんが、男子同士なのでどうしても比べてしまいます。
【親野先生のアドバイス】
保護者はみんな「比べる病」にかかっているのです。比べると常に隣の芝生は青く見え、我が子はみすぼらしく見えてしまいます。けれど、それに成長が早ければいいというものではありません。促成栽培よりも大器晩成です。さらに、常に我が子にないものばかりを求める「ないものねだり病」にもかかっています。そして、うちの子はあれができない、これもできないと嘆き、子どもを叱り続けます。そうすると、お子さまは自分に自信が持てなくなりますし、がんばるエネルギーもわいてきません。叱られ続けることで、当然、親子関係も良好でなくなるでしょう。
お子さまに求めるのではなく、まず自分のものの見方を変えることが必要です。ですから、もうこれからは「比べない」「ないものねだりをしない」と決意して欲しいと思います。決意すると同時に、積極的に見方を変えていきましょう。効果があるのが「あるもの見つけ」です。それは、ありのままの我が子が既に持っているありがたいものを見つけるということです。
「あるもの見つけ」をすれば、ありのままの我が子がどれくらいすばらしいかわかります。普段はそのありがたみを忘れて、できて当たり前になっています。失って初めてわかるというのが人間の常ですが、それではもったいないです。失う前にそのありがたさに気付いて感謝したいものです。自分のありのままを受け入れて、肯定してくれる相手に対して、子どもは絶大な信頼を寄せるようになります。そうすると、親子関係がよくなって相手の話も素直に聞けるようになります。
出典:男の子同士なのに友達と比べ差が大きい[教えて!親野先生] -ベネッセ教育情報サイト