プレイフルラーニング 学びを豊かにする保護者の心得3か条
楽しむことで学びの土台が築かれるという考え方「プレイフルラーニング」。幼児期に、楽しむだけでなく、夢中になって試行錯誤する遊びを経験した子どもは就学後も学習意欲が高くなるという。遊びの場面における保護者の関わり方のポイントを、発達心理学が専門の十文字学園女子大学准教授の大宮明子氏に伺った。
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子どもの遊びを豊かにするポイントは、次の3つです。
(1)子どもの視点で一緒に楽しむこと
(2)保護者がリードしないこと
(3)夢中になっている時はそっと見守ること
まずは子どもの視点に立ち、どんなことが好きなのかを観察しましょう。たとえば新聞紙で遊ぶにしても、新聞紙を破く音や破った新聞紙の形など、子どもによって興味を持つところはさまざまです。子どもが興味を持った点を見極めて、広げていくようにしましょう。
また、「これで遊びなさい」「これを作りなさい」という指示的な言葉は避けてほしいです。指示が多いと、子どもは大人の顔色を見ながら行動することが多くなります。「これはどうしたらいいのかな?」と子ども自身が考え、行動するように促してあげてください。
子どもが夢中になって遊んでいる時は、そっと見守りましょう。幼児期の後半になると、常に一緒に遊んでほしいのではなく、できたものへの評価を求めるようになります。「見てー」などと子どもが声を掛けてきた時にほめてあげると、次への意欲が育まれます。
遊びに関わる際に注意したいこともお伝えします。まず、「お友達はできたのに、なんであなたはできないの」と、人と比較すること。子ども自身がやりたいことを大切にしてください。主体的に取り組んだ時こそ、考える力や集中力、想像力が鍛えられ、学びの土台が作られていくからです。また、失敗を責めたり、強く叱ったりすることもやめましょう。これが続くと子どもが失敗を恐れ、遊びだけでなく、勉強や運動でも意欲的に取り組むことを避けるようになります。
出典:遊びが学びの土台を築く! プレイフルラーニング ~実践編~ -ベネッセ教育情報サイト