ペットを家族に迎えるなら 動物病院長に聞く、猫の性質と飼い方
今、ペットとして飼われている犬と猫の数は、15歳未満の子どもの数よりも多いという。これからペットを家族の一員として迎えたい、と考えている家庭もあるだろう。そこで、マイペースな性格が魅力で比較的飼いやすいといわれる、猫の性質や飼い方について、プリモ動物病院院長の川野浩志氏に、伺った。
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猫の性質は、犬との違いで理解するとわかりやすいです。犬が、縦と横の「2D」=平面を行ったり来たりして生活しているのに対して、猫は、これに高さが加わった「3D」の世界で生活しています。猫を飼う際は、キャットタワーや外を眺められるような高い場所、上下のスペースがある空間を用意してあげるとよいでしょう。
猫は基本的に、エサをあげてトイレの掃除をしてやれば、自分で生活する動物です。犬とは違い、散歩をしなくてもよいため、時間的制約が多くても、比較的飼いやすいペットだと思います。
また、縄張り意識が強く、パーソナルスペースを非常に大切にする生き物で、それが侵されることを非常に嫌がります。一方、マイペースを大事にする性格だからといって、寂しがり屋でないわけではありません。放っておくと側にすり寄ってくるなど、とても感情豊かな生き物です。そういった気持ちをわかってあげて、大切にしてあげてほしいですね。
猫を飼い始めたら、ぜひお子さまと一緒にお世話をしてあげてください。お子さまの年齢によっては、「朝晩必ずあなたがお水を替えて、ごはんをあげてね」などと伝え、お世話ができたかを確認するための「チェックシート」を作り、きちんと管理をするということを教えてもよいでしょう。「お水が汚れてきているから替えようね」など、ペットをとおして共通の会話が増え、家族の結び付きがより強まる効果もあります。