「文理分け」はもう古い!? 大学は横断・融合へ

保護者の世代では高校時代、文系・理系コースに分かれたという人は少なくないでしょう。大学入試などに対応するため、多くが高校2年生の段階からコース分けをすることが一般的です。しかし今、そもそも「文系」「理系」に分けることに対する批判が高まっています。どういうことでしょうか。

この記事のポイント

政府で提言相次ぎ、中教審は新部会

政府関係では、2022年5月10日に教育未来創造会議が「文理横断教育の推進」を、6月2日に総合科学技術・イノベーション会議が「文理分断からの脱却」を打ち出しました。主に大学教育や研究の側から、文理が分断されていることを問題視する指摘が挙がり、両者を横断することを求める提言が相次いでいるのです。
そうした流れを受けて、文部科学相の諮問機関である中央教育審議会も、6月17日に初会合を開催した大学振興部会で、最初のテーマとして「文理横断・文理融合教育」を取り上げました。

理数抜きには仕事もできず

経団連が1月に発表した企業アンケート(2021年8~10月実施)の結果によると、大卒者に特に期待する知識(3つまで選択)として「文系・理系の枠を超えた知識・教養」が84.7%と最も多く、「専攻分野における基礎知識」(75.8%)や「専攻分野における専門知識」(61.8%)を抑えました。これに「数理・データサイエンス・AI・ITに関する専門知識」が続いているのも注目されます。
中教審の部会でも、委員の益戸正樹・UiPath特別顧問は「既に民間企業では、理数系的な要素を抜きにしては仕事ができない」と指摘。「『自分は文系だからできない』『数学が苦手』というかたの採用は厳しくなる」との見通しを示しました。

新学習指導要領でも小学校から強化

新しい学習指導要領でも、小学校からプログラミング教育を実施したり、情報活用能力を育成したりするとともに、算数・数学で統計教育を充実しています。高校では、総合的な探究の時間(小中学校では総合的な学習の時間)とは別に科目として「理数探究」を設けました。いずれも、そうした素養が社会で求められていることを反映したものです。
中教審では、大学関係者から「理系から文系の横断はできても、数学ができないと、文系から理系の横断ができない」という指摘が相次ぎました。

まとめ & 実践 TIPS

2021年度の大学入試では、早稲田大学の政治経済学部が数学を必須化したことが大きな話題になりました。他にも上智大学経済学部経済学科、東京理科大学経営学部、慶應義塾大学経済学部・商学部が一般入試で数学を課しており、文系学部でも数学が必要だという認識が広がっています。
少なくとも数学の得意、不得意で文理選択をするというのは、これからの時代には通用しないようです。中教審でも指摘されていた通り、何よりも理数的素養の必要性を実感しているのは、仕事を持つ保護者の方々自身ではないでしょうか。

(筆者:渡辺敦司)

中央教育審議会大学分科会大学振興部会(第1回)会議資料
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/mext_00391.html

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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