大学の進学費用、負担が軽くなる!? その対象は?

政府の教育未来創造会議が、第1次提言をまとめました。この中で、2020年度に導入した「高等教育の修学支援新制度」を中間所得層の一部に広げるとともに、貸与型奨学金も「出世払い」にできる制度を導入するとしています。大学の進学費用の負担は、本当に軽くなるのでしょうか。

この記事のポイント

「真に必要な」学生に限っていたけど…

修学支援新制度は、2019年10月の消費税率引き上げ(8→10%)に伴って導入されました。ただし、進学しない人と不公平になってはいけないからと「真に必要な子供たちに限って高等教育の無償化を実現する」(2017年12月閣議決定「新しい経済政策パッケージ」)とされました。
このため、現在は年収270万円程度までの世帯に、最大91万円の給付型奨学金や、同70万円の授業料減免を実施。380万円程度までの世帯には、3分の2や3分の1を支援することにしました。
それ以上の年収の世帯には引き続き貸与型で対応しますが、無利子奨学金の対象者を拡大しました。これに先立って2017年4月からは、卒業後の所得に応じて月々の返還額が決まる「所得連動型返還制度」も導入されています。

「必要性が高い」中間層にも広げ

第1次提言では、(1)修学支援新制度について中間所得層のうち特に負担軽減の必要性が高いと認められる学生に支援対象を拡大する(2)減額返還制度の見直しや大学院段階における授業料不徴収・卒業後返還の導入などによりライフイベントに応じ返還者の判断で柔軟に返還(出世払い)できる仕組みを創設する……としました。
このうち(1)の「特に負担軽減の必要性が高い」対象者としては、多子世帯や、理工系・農学系学部の進学者を例示しています。
多子世帯をめぐっては、進学後のアルバイトが「必要」「不可欠」と答える割合が3人きょうだいで86.1%を占めるなど(国立教育政策研究所調べ)、さらに手厚い支援が求められています。

成長分野に必要な理工系進学者も

一方、理工系などに対象学部を絞るのは、国の事情です。これらがデジタル化やグリーン(脱炭素化)など、成長分野への人材輩出が期待されるからです。
国際学力調査を見ても、日本の児童生徒は理数系の潜在能力が高いのに、理工系学部に入学するのは17%と、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均に比べ10ポイントも下回っています。まだまだ進学者を増やす余地があるというわけです。
とりわけ女子は、そもそも高校で理系を選択する割合が16%(男子は27%)と低く、「女子は理系には向いていない」といった「ジェンダーバイアス」(性差の固定観念)が働いているものとみられます。第1次提言では、理工系を専攻する女子学生の割合を、現在の7%から、男子と同等の27%程度に高めることを目指し、官民共同の支援プログラムを創設することを提案しました。

まとめ & 実践 TIPS

今や高校生の2人に1人が大学に進学する時代になり、今後は社会人になってから何度でも大学に入り直す「学び直し」も求められます。国の財源も潤沢ではありませんが、経済的格差による進学格差をこれ以上広げないためにも、手厚い支援の制度設計を期待したいものです。

第3回 教育未来創造会議 配布資料(2022年5月10日)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kyouikumirai/dai3/gijisidai.html

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