学生目線で大学の質をチェックする「全国学生調査」とは? コロナ禍での通学・授業体制も質問項目に

文部科学省は2022年1月31日から2月28日までの1か月間、「全国学生調査」の第2回試行調査を実施しています。各大学の教育の質について、学生の目線でチェックしてもらおうというものです。
本格実施になれば大学・学部ごとの結果も公表したい考えで、将来的には大学選びの指標としても期待されます。

この記事のポイント

学生本位で教育を改革してもらうため

全国学生調査は、中央教育審議会(中教審、文部科学省の諮問機関)が2018年11月に答申した「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」の提言に基づくものです。

いま、大学をはじめとした高等教育機関には、社会から信頼されるための教育改革が求められています。そこで同答申は、学修者(学生)本位の教育に転換するべく、国が全国的な学生調査などを行い、各大学を比較できるよう一覧化して公表することを提案しました。

これを受けて、2019年11~12月に第1回の試行調査を実施。スマートフォン(スマホ)などを使って10分程度で気軽に回答できるよう工夫されました。結果は2020年6月に公表されています。

オンライン授業の良しあしも尋ねる

調査では、授業で小テストやリポートなどの課題がどれくらいあったか、グループワークやディスカッションの機会があったか、勉強方法を学ぶ科目があったかどうかなどを尋ねています。

裏を返せば、そうした丁寧な教育により、学生が将来、社会で活躍できる力を着実に育むべきだ、ということを示しています。

特に今回は、コロナ禍を踏まえて、2021年度の授業期間中にキャンパスへ通った1週間当たりの日数や、オンライン授業の割合の他、対面授業と比べて良かった点や悪かった点なども追加して聞いているのが特色です。

コロナ禍が終息した後の「ニューノーマル(新しい日常)」時代にも、オンラインの活用が、大学教育の一形態として残ることでしょう。各大学にも、コロナ下の一時しのぎにとどまらず、効果的な教育を模索するための取り組みを期待したいものです。

本格実施まで個別の結果公表は大学任せ

試行調査の間は、全体の概要の他、国公私別や規模別、学部の分野別などについてのみ公表することにしています。個別の大学・学部の結果を明らかにするかどうかは、各大学に任されています。

第1回の試行調査には、67.4%の大学が参加しました。第2回には、大学の70%以上、初参加の短大も半数近くが参加する見通しです。学生の回答率を上げることで、本格実施までに調査結果の精度を高めることも課題になっています。

まとめ & 実践 TIPS

大学教育にはアクティブ・ラーニング(能動的学修、AL)が不可欠になっています。そうした教育がどれだけ効果的に行われているか、学生目線で把握し、各大学に更なる改革を促そうというのも、調査の狙いです。
今後、受験生や保護者にも積極的に改革を「見える化」する努力が望まれます。

全国学生調査(文部科学省ホームページ)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/chousa/1421136.htm

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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