「天賦の才能」にも生きづらさ アンケート調査で浮き彫りになるギフテットの苦悩

文部科学省は、「特定分野に特異な才能のある児童生徒」に対する指導や支援の在り方はどうあるべきか、有識者会議を設けて検討しています。
2021年8~9月には、本人や保護者、学校などから回答を寄せてもらったアンケート調査を行い、11月の同会議に結果のまとめを提出しました。天賦の才能を持つ子にも、いろいろ悩みが尽きないようです。

この記事のポイント

早熟ぶり示す幅広い事例

アンケート結果は、回答を項目ごとにまとめたものです。
特異な才能としては、小学2年生で中学校の数学を終えてしまったとか、6歳で全国規模の自然科学コンクールに入賞したとか、早熟ぶりを示す事例が並んでいます。芸術や音楽、運動などに関する事例も多数寄せられました。
「特定の事柄への強い関心」という項目も立てられており、強い興味のある分野をどんどん掘り下げていく様子がうかがえます。

周囲に合わせられない困難さも

その一方で、学校では「周囲に合わせろと叱られ、授業中は常に暇を持て余していた」「授業が常に苦痛でした。(中略)わからないふりをするのもまた苦痛で、結局授業中に自分を見出すことはできませんでした」(いずれも本人の回答)など、天才ならではの悩みもあります。
単なる本人の我慢では済まない場合もあります。
保護者が「自分の好奇心が最優先なので、やってはいけないことを何度も繰り返し、よく叱られる」「早熟な知能に対して情緒の発達が遅く(中略)些細な事で怒れてしまったり泣けてしまったり、他の児童と言い合いになったりしてしまいます」などの悩みを抱えているのは、天賦の才能と裏腹である可能性もあるでしょう。発達障害の診断を受けているケースも少なくありません。

注目される「二重の特異」

近年、「2E」(Twice-Exceptional=二重の特異)という言葉が注目されています。発達障害が「発達の凸凹」とも言われるように、学習や生活に困る部分を抱える一方で、特異な才能を示すこともあるわけです。
脳の発達の違いは、本人の問題でも、親の問題でもありません。また、日常生活に適応できているようでも、先に見た本人の回答のように、実は生きづらさを抱えていることも少なくありません。
特異な才能に関しては「ギフテッド」という言葉も使われますが、プラス面だけでなくマイナス面も含めての「贈り物」だと言えるでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

考えてみれば、人それぞれに違いがあるのは当然です。違いを多様性と受け止め、うまく折り合いをつけられるような、社会の在り方も問われています。
有識者会議では、そうした多様な面から幅広い支援の在り方を検討しようとしています。「普通」の子はもとより、突出した才能があろうと障害があろうと、一人でも多くの子どもが幸せを感じながら能力を最大限発揮できるような社会や教育を目指したいものです。

「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」(第4回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/169/siryo/mext_00005.html

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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