令和の学校教育、「個別最適」で「協働的」ってどういう意味?

新しい時代の幼稚園や小学校、中学校、高校などの教育(初等中等教育)の在り方を検討している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は現在、年明けの答申に向け、議論を本格化させています。10月の総会に報告された中間まとめのタイトルは「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」でした。いったい、どんな学びが求められるのでしょうか。

この記事のポイント

分科会では心配もあったけれど…

実はこのタイトルをめぐって、中間まとめ案を議論した9月末の初等中等教育分科会では、複数の委員から、見直しを求める意見が出されました。ただでさえ忙しい学校現場にとって、またも新たな課題が「降ってくる」と受け止められるのではないか……という心配からです。

というのも、新しい学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング=AL)が求められているからです。これとは別の「学び」と受け止められては大変だ……というわけです。

AIを使いこなす時代に

そもそも「個別最適な学び」は、安倍晋三政権下の2018年6月、文部科学省内タスクフォース(特別作業班、TF)の報告にあった「公正に個別最適化された学び」が、もとになっています。この報告には、人工知能(AI)の発達などにより「Society5.0(超スマート社会)」と呼ばれる新しい時代が到来しようとしている時に、AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使いこなせるような人を育てなければいけない、という問題意識がありました。

そのためにも学校は、すべての子どもたちに、基盤的な学力の確実な定着と、他者と協働しつつ自ら考え抜く自立した学びを実現できるよう、「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習機会と場の提供を図ることが必要だ、と指摘していました。すでに「協働」的な学びも意識されていたのです。

コロナ禍で再認識された学校の重要性

そうした中、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、最長3カ月にわたる休校措置が続きました。学習を補うため、オンライン学習の必要性が高まった一方、やはり学校に集まる「リアルな学び」の重要性も、再認識されたところです。

保護者の世代にも、学校では「個に応じた指導」(指導の個別化、学習の個性化)を目指していました。今回の中間まとめでは、これを学習者(児童生徒)の視点で整理したものが「個別最適な学び」だと定義しました。

オンライン学習の普及をきっかけに、デジタル教育が拡大すれば、より一人ひとりに対応した学習が進みます。一方で、人と人とが一つの場に集まり、対面することでしか学べない学習もあります。そのため中間まとめは、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を行ったり来たり(往還)することが必要だとしています。

まとめ & 実践 TIPS

新しい時代に対応するにも、もともとあった日本の学校教育の良さを失っては、何にもなりません。個に応じた指導や、集団による対面授業という「強み」を、時代に合わせて伸ばそうとするのが「令和の日本型学校」なのだと言えるでしょう。


「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(中間まとめ)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1382996_00006.htm

Society5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会
https://www.mext.go.jp/a_menu/society/index.htm

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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