「自分で学ぶ力」が問われるコロナ後の学び(1) 家庭学習のあり方は? ベネッセ教育総合研究所が子どもの生活・学びの困りごとに応えるシリーズ(13)

多くの地域で休校措置が解除されましたが、感染リスクの点から、すぐに以前と同じ学習環境に戻るのは難しい状況です。自治体や学校の対応も全国一律ではなく、バラつきが出る可能性が高いでしょう。そのような状況下で、子どもの家庭学習をどう考えたらいいのでしょうか。ベネッセ教育総合研究所/チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)の木村治生・主席研究員が、お話ししていきます。

●学校に協力しつつ、家庭でできることを

休校が解除されたエリアでは、多少なりとも、ご家庭の負担が軽くなったのではないでしょうか。でも、次のステージに進んだら、また新しい心配が発生するものです。たとえば、休校で不足した学習をどのように補うか、これからの家庭学習をどう組み立てればいいのかといったことに、悩んでいる保護者のかたも多いと思います。

自治体や学校の対応には、バラツキが生まれることが想定されます。分散登校の程度や、ICT機器の整備状況になどよって、できる教育活動が異なります。加えて、土曜登校や夏休みの短縮、行事の削減も検討されていて、過密なスケジュールも懸念されます。これらが自分の子どもにマイナスに作用しないか、保護者のかたとしては心配です。
ですが、今回の事態は自治体や学校にとっても初めてのことで、対応に苦慮しています。保護者のかたはそのことを理解し、学校の取り組みに今まで以上に協力しつつ、家庭でできることを考えてほしいと思います。

●まずは学習量の確保から

では家庭では、どのようなことに留意すればいいのでしょうか。まずは、ベースとなる学習量の確保を心がけるといいでしょう。学校の宿題が増えているので、それで十分であれば、家庭で多くを追加する必要はありません。トータルで一定の学習時間が確保できているかを考え、不足している分だけを家庭で補えばいいと思います。

学習で成果をあげるためには、「質」の良い学習を、一定の「量」行う必要があります。私たちの研究では、成績をあげるには、学習方法の工夫など「質」を高めるほうが成績をあげるのに有効でした。しかし、学習の「質」を高めるのは、なかなか難しいものです。その点、学習時間のコントロールは、子どもにもわかりやすく、比較的容易です。そこで、まずは対応の第一歩として、学習量の不足を補うことを考えてみてください。

上記記事はベネッセ教育総合研究所が運営するチャイルド・リサーチ・ネット(CRN)に掲載した動画をもとに作成したものです。
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)は「子どもは未来である」という理念を掲げ学際的、国際的な活動を推進する、インターネット上の「子ども学」研究所です。ベネッセ教育総合研究所の支援のもと運営されています。

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プロフィール

木村治生

木村治生

CRN主席研究員、ベネッセ教育総合研究所主席研究員。
ベネッセコーポレーション入社後、子ども(乳幼児~大学生)、保護者、教員を対象とした意識や実態の調査研究、 学習のあり方についての研究、教育市場(産業)の調査などを担当。 文部科学省や経済産業省、総務省から委託を受けた調査研究にも数多く携わる。 東京大学客員准教授(2007年、2014~16年)、追手門学院大学客員研究員(2018年~)、横浜創英大学非常勤講師(2018年~)、文部科学省「中高生を中心とした子供の生活習慣づくりに関する検討委員会」委員(2013年)、「中高生を中心とした生活習慣マネジメント・サポート事業」における選定委員会委員(2017年)、光り輝く「教育立県ちば」を実現する有識者会議委員(2014年)、富山県学力向上対策検討会議アドバイザー(2014年)、草加市子ども教育連携推進委員会専門部会委員(2014年~)など。専門は社会調査、教育社会学。

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