子どもとネット、家庭で今後どう付き合う?

新型コロナウイルス感染症の影響による2019年度末や20年度初めの臨時休校時に、インターネット授業やオンライン教材で勉強したお子さんも少なくないことでしょう。一方で、ついSNSやゲームをやり過ぎたり、サイトや動画を見過ぎたりしたこともあったのではないでしょうか。政府は学校に1人1台の児童生徒用コンピューター整備を目指す「GIGAスクール構想」を推進していますが、20年度補正予算案では計画を前倒しして、整備できた学校では、家にも持ち帰れるようにしたい考えです。これからは学習利用も含め、ネットとの付き合い方を考え直す必要がありそうです。

「趣味・娯楽」に平均でも約2時間

まず、子どものネット利用の現状はどうなっているのでしょうか。内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」の2019年度結果(速報)によると、ネット利用率は小学生でも86.3%に上りました。中学生では95.1%に上り、高校生ではと99.1%と、ほとんどを占めます。ネットを利用している機器は、▽スマートフォン(スマホ)が小学生49.8%、中学生75.2%、高校生97.1%▽パソコンが各19.1%、21.0%、27.1%▽タブレットが各41.0%、35.9%、24.0%……などとなっています。子ども専用の機器を持っている割合は、スマホでは80.1%ですが、タブレットでは33.6%と3人に1人に過ぎず、半数近くが保護者との共用です。
ネットの利用内容は「勉強・学習・知育アプリやサービス」が41.6%あるものの、やはり「動画視聴」(81.5%)や「ゲーム」(78.7%)、「コミュニケ—ション」(69.1%)のほうが多くなっています。
ネットの平均利用時間は182.3分で、2人に1人は3時間以上利用するヘビーユーザーです。目的別では「勉強・学習・知育」が平均33.3分なのに対して、「趣味・娯楽」は119.5分となっており、やはり現状では楽しみのための利用が主流です。

勉強も含め自律的な使い方を

情報セキュリティーメーカー「デジタルアーツ」の調査では、学校段階が上がるほど、保護者が子どもを信頼して、ゲームやスマホの使い方を自由に任せる傾向がみられることも気にかかります。
学校の1人1台環境の是非について尋ねたところ、「良いと思う」と答えた保護者が26.2%、「良くないと思う」が9.5%と、好意的な評価が多くなりましたが、「どちらの要素もあると思う」が53.4%を占めており、迷いがあるようです。良い要素としては「学校での発展的な学習が期待される」「タブレット端末に慣れる機会になる」など、悪い要素としては「子供の遊び道具になる」「親の目の届かない所でインターネットで繋がる」などが多く挙がりました。
今回の休校措置で浮き彫りになってきた通り、今後は家庭学習でネットを利用する機会も増えてくることでしょう。一方、経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本の15歳は加盟国の中でも、学校外でデジタル機器を使って宿題をしたり、勉強のためにネットを見たりする割合が格段に低いことがわかっています。
ネットでの勉強が面白くなっていけば、自然と趣味・娯楽の割合も減っていくかもしれません。勉強も含めて子どもが自律的な使い方ができるよう、保護者としても様子を見守ったり、親子での話し合いを重ねたりしていく必要がありそうです。

(筆者:渡辺敦司)

※青少年のインターネット利用環境実態調査
https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/net-jittai_list.html

※デジタルアーツ 第13回未成年者の携帯電話・スマートフォン利用実態調査
https://www.daj.jp/company/release/2020/0407_01/

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

この記事はいかがでしたか?

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A