小規模校、どう元気にする?

少子化の進行に伴って、1校当たりの児童生徒数や学級数は、昔に比べれば、ずっと小さくなりました。学校の統廃合も進み、母校がなくなったり統合されて校名が変わったりした保護者のかたも少なくないことでしょう。小規模校化する学校の在り方を今後、どう考えればいいのでしょうか。

自治体の13%は既に小中1校ずつ

文部科学省のまとめによると、2008年度に3万2,301校あった公立小中学校は、18年度には2万9,012校と、過去10年間で10.2%(3,289校)減となりました。この間、統廃合も進んできたのですが、一つの自治体に1小学校・1中学校という市町村が13.3%あり、これ以上の統廃合はできないまま、少子化がますます進んでいる実態もあります。

コミュニティーの核となってきた学校がなくなっては、地域そのものが衰退するという問題も起こっており、学校の存廃は地方創生の観点からも考えなければならない問題です。これは必ずしも過疎地だけでなく、市町村合併が進み広域化した自治体の問題でもあるでしょう。

小規模校には、子ども一人ひとりに目が届き、丁寧な指導が受けられるメリットがある一方、集団による学習や活動がしにくいなどのデメリットもあります。メリットを最大化し、デメリットを最小化するには、自治体なりに知恵を絞る必要があります。

そうした中、文部科学省は先頃「学校魅力化フォーラム」を開催しました。そこでは、さまざまなタイプの自治体が、取り組み事例を発表しています。

自治体によって工夫はいろいろ

山形県の西南端にある小国町は、2004年度当時に小学校9校、中学校6校あったものを、各1校に統合する方針を立てました。保護者や地域の合意を待って順次統合していったため、現在は各2校となっています。統合で1校当たりの先生の数は増えましたが、東京23区がすっぽり入る広い地域から通うにはスクールバスが必須のため、徒歩通学の時と比べて子どもの体力低下への対策が必要になったといいます。

一方、兵庫県北西部の香美町は、小学校10校・分校1校や中学校4校を維持していますが、複式学級のある小学校が5校・分校、学年1学級の中学校が3校を占めています。そこで2013年度から「香美町学校間スーパー連携チャレンジプラン」を打ち出し、町内を南北二つのグループに分けて、おおむね月1回、午前の3時間程度を合同授業の形で行う工夫をしています。

自治体を超えた連携もあります。東日本大震災と原発事故で人口が減少したり避難を余儀なくされたりした福島県双葉郡の8町村は、県教育委員会の教育事務所から支援を受けながら、テレビ会議システムによる遠隔授業を行っています。

フォーラムで講演した千葉大学の貞廣斎子教授(教育行財政学)も、小規模校を残すなら、複数学校間や自治体間でネットワークを組むとともに、地域からサポートを受けるだけでなく、将来の地域住民を育成することで地方創生にも貢献するという、ウィンウィンの関係を築くよう提案しました。コミュニティ・スクールは、その典型です。

学校の在り方は、保護者にとっても地域にとっても重要な関心事です。先進的な自治体にも学びながら、いろいろ知恵を絞る必要がありそうです。

(筆者:渡辺敦司)

※2019年度学校魅力化フォーラム
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tekisei/1421853.htm

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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