「部活動指導員」4月から制度化 休養日も徹底

教員多忙化の一因になっていると指摘される学校の部活動をめぐり、文部科学省は、4月から学校に外部人材が単独で部活動を指導・引率できる「部活動指導員」(仮称)を置けるようにします。1月には部活動に適切な休養日を設けるよう求める通知も出しています。新年度から、部活動も徐々に変わっていくかもしれません。

教員の大きな負担を軽減

部活動は、学校教育の一環であることは間違いありませんが、授業や学校行事などが「教育課程内」として学習指導要領に細かな規定があるのに対して、あくまで「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」(学習指導要領)ものとして、教育課程外の扱いになっています。教職員も「自主的、自発的」に顧問を引き受けている……というのが建前です。しかし実態は校務分掌として顧問が割り振られているのがほとんどですし、部活動が学校管理下の活動である以上、対外試合などにも責任者として学校の教職員が同伴していなければなりません。そのため土日に4時間以上の指導を行った場合には、手当も出ています(国の予算上は日額3,000円=2018(平成30)年1月からは3,600円に引き上げ予定)。

しかし、放課後ばかりか早朝などにも練習があったり、土日に対外試合や発表会があったりする部活動指導が、教員の長時間労働の大きな要因となっていることが、国内外の調査から明らかになっています。本来、余裕のある場合にボランティアとして引き受けるはずの部活動指導により、肝心の授業準備にまで支障が出ているとしたら、本末転倒です。

そこで中央教育審議会は2015(平成27)年12月の「チーム学校」答申で、外部スタッフも単独で指導や引率ができるようにする部活動指導員の創設を提言。これを受けて文科省は省令を改正し、4月から学校に置けるようにします。

実際には教育委員会などで規則の改正や予算化を行うことが必要ですが、文科省の制度化に沿って新年度以降、部活動指導員を置く動きが各地・各校で加速化することは間違いありません。

部活の在り方、検討も必要

文科省はまた、部活動に適切な休養日を設けるよう、昨年6月に続き、年明け1月にも通知を出しました。2016(平成28)年度の全国体力・運動能力等調査(全国体力テスト)で、土日に休養日を設けていない学校が4割以上あったことを受けてのことです。

さらに新年度からは、運動部活動の在り方に関する調査研究事業に乗り出します。2001(平成13)年度以来行われていない詳細な実態調査を行うとともに、適切な練習時間や休養日の在り方、民間活力の導入などを検討したうえで、総合的なガイドラインを策定したい考えです。

大会などがある部活動の場合、生徒の側も、どうしても好成績を収めたいからと、つい練習に熱が入ってしまいがちになります。しかし勉強に支障が出てしまってはいけませんし、とりわけスポーツの場合は適切な休養も「練習」のうちであることが、医科学的に明らかになりつつあります。

これを契機に保護者の方々も、新学期以降の部活動の在り方を、お子さんも交えて、学校とともに話し合っていく必要があるでしょう。部活動はあくまで「自主的、自発的な活動」なのですから。

※学校教育法施行規則の一部改正
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000867&Mode=0

※松野博一文部科学大臣記者会見録(平成29年1月6日)
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1381013.htm

(筆者:渡辺敦司)

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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