夏休みこそ「早寝早起き朝ごはん」で自律の習慣を!

子どもたちにとっては、いよいよ待ちに待った夏休み。「しばらくは、夜更かしや朝寝坊のし放題だー!」と喜んでいるお子さんも少なくないでしょう。そうした子どもたちに、「夏休みこそ『早寝早起き朝ごはん』が大事ですよ」と説教したとしても、聞く耳を持たないかもしれません。しかし、それが大学などへの進学、さらには社会人になってからの生活にも影響するかもしれない、などと言うと、大風呂敷の広げていると思われるかもしれません。しかし、あながちそうでもなさそうです。キーワードは「自律」です。

文部科学省は先頃、早寝早起き朝ごはんに関する、中高生向けの普及啓発資料(外部のPDFにリンク)と、学校向けの指導者用資料(外部のPDFにリンク)を作成しました。中高生向けといっても、生活習慣の乱れが始まる小学校高学年からの使用も想定して、易しい言葉で書かれているのが特長です。
指導者用資料のほうに、注目すべき指摘があります。「生活習慣に関する指導を行う際には、単に知識を教えるのみではなく、規則正しい生活習慣を子供が自律的に身につけることができるような指導を行うことが必要」という一文です。知識を教える(子どもにとっては「何を学ぶか」)だけでなく、子どもが自律的に身に付けることができる(「何ができるようになるか」)ということは、中央教育審議会で検討されている、次期学習指導要領(外部のPDFにリンク)の改訂ポイントでもあります。大学入試の抜本改革を含んだ「高大接続改革(外部のPDFにリンク)」でも、高校・大学を通じて「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」を育み、社会に有意な人材として輩出することを目指しています。

早寝早起き朝ごはんは、10年ほど前から国民運動にもなっていることもあって、保護者の方々にも重要性の認識が、かなり浸透していることと思います。しかし、保護者のかた自身も、朝ごはんを抜くことが少なくないのではないでしょうか。もちろん、ご自身の健康に支障がない、あるいは、そのほうが自分の生活リズムに合っていると判断してのことなら、何の問題もありません。

問題なのは、わかっていながら行動に移せず、ひいては健康を損ねてしまうことです。大人でも難しいことですから、子どもにはもっと難しいことです。だからこそ、早寝早起き朝ごはんといった身近な話題から、自律の基礎を培うことが重要なのです。そうした正しい生活習慣が、勉強の習慣にもつながり、ひいては成績アップも期待できることは、言うまでもないでしょう。

「帰宅した後、夕方に仮眠をとると勉強の効率が上がる」「寝る前に激しい運動をするとよく眠れる」「朝型の人は夜型の人より勉強やスポーツの成績がよい」……これらが○か×かわかりますか? 答えは、中高生向け普及啓発資料でご確認ください。そして、ぜひ正誤だけでなく、根拠となるデータも確認しながら、子ども自身がどういう生活を送ればよいのかを、親子で考えてみてはいかがでしょうか。

プロフィール


渡辺敦司

著書:学習指導要領「次期改訂」をどうする —検証 教育課程改革—


1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。初等中等教育を中心に、教育行財政・教育実践の両面から幅広く取材・執筆を続けている。

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