高校生のネット依存4.6%、<予備軍>は半数以上!? ‐渡辺敦司‐

子どもにも急速に普及するスマートフォン(スマホ)。小・中学生には使用を制限する自治体や学校もありますが、高校生ともなると無料通信アプリLINEなどのソーシャルメディアは既にクラスや部活動の連絡手段などとしてなくてはならないものになりつつあります。そんな中、総務省が東京都立高校生を対象に調査(外部のPDFにリンク)を行ったところ、インターネット依存傾向の高い生徒は4.6%と1クラスに2人近くいる計算で、<予備軍>は半数以上いることがわかりました。

ネット依存がギャンブル依存やアルコール依存のように生理的な問題を引き起こすことは、以前の記事でも紹介しました。場合によっては治療が必要な「病気」と診断されることもあります。その際、世界的によく使われるのが米国の心理学者キンバリー・ヤング博士が1998年に作った尺度です。総務省は今回、それを現在の高校生向けに調整し、「気がつくと、思っていたより長い時間ネットをしていることがある」「他にやらなければならないことがあっても、まず先にソーシャルメディア(LINE、Facebookなど)やメールをチェックすることがある」など20項目の質問をして、ネット依存傾向を低・中・高の3段階に分類しました。
その結果、「高」は4.6%、「中」は55.2%、「低」は40.2%となりました。「高」を性別で見ると男子3.9%、女子5.2%と女子のほうが高く、学年別では1年生5.2%、2年生4.8%、3年生3.7%と低学年のほうが高くなっています。スマホ利用者の一日の使用時間は約3時間2分で、依存傾向「高」の場合は約4時間23分にもなります。「高」の生徒ではパソコンの使用時間が約1時間32分、タブレット端末も約26分となっていますから、仮に全部の機器を使っていたとすると約6時間20分となる計算です。

それだけ使っていれば、心身に支障をきたすのも無理はありません。依存傾向「高」の生徒では、ネットのしすぎが原因で「ひきこもり気味になっている」と回答したのは49.0%と約半数。「健康状態が悪化している」は39.8%、「学校に遅刻したり、欠席しがちになっている」は35.8%と、いずれも全体平均の4倍ほどになっています。
依存傾向が低いからといって、安心してはいられません。スマホ利用によって減った時間を尋ねると、「睡眠時間」と回答したのは全体で40.7%、「低」でも20.6%。「勉強の時間」も各34.1%、17.3%となっています。「低」の生徒でも一日2時間以上スマホを使っていますから、油断すると生活に支障が出てきかねません。

高校生ともなるとお子さんを信頼して使用ルールを決めない家庭も多いことでしょうが、ついつい手を出してしまうのは大人でも同じで、子どもならなおさらです。先に紹介したとおり、ネット依存の背景にはリアルな世界の問題がありますから、子どもの生活や人間関係の全体についても目配りする必要がありそうです。


プロフィール


渡辺敦司

著書:学習指導要領「次期改訂」をどうする —検証 教育課程改革—


1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。初等中等教育を中心に、教育行財政・教育実践の両面から幅広く取材・執筆を続けている。

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