怒るデメリット&きちんと「叱る」にはどうすれば? 守りたい5つの原則

 子どもの教育のためには、保護者が叱ることも必要です。しかし、それが冷静さを欠いたものであり、感情に任せて子どもを怒鳴るだけ、機嫌が悪くなるだけであれば、それは正しい叱り方ではありません。怒るのではなく、冷静に「叱る」ことで子どもの失敗をプラスにしていきましょう。この記事では、子どもを叱るときに意識したい5つの原則についてご説明します。

叱る前にまず考える…子どもの行動の理由

 子どもを叱る前に、保護者もまず「叱るべきことか」を考える必要があります。子どもがどうしてこのような行動をとったのか、冷静に考えるようにしましょう。結果だけ見れば「悪いこと」も、子どもなりに考えて、よかれと思ってしたことかもしれません。自分自身が考え、意欲的に行動できる子どもを育てるためには、保護者も考えることを忘れてはならないのです。とても基本的なことですが、忙しい日々の中ではおざなりにしがちなこと。「もしかして…したかったのかもしれない」と思うだけで、感情的に叱ることを防ぐことができます。

子どもを叱るときに意識したい5つのこと

1.具体的に叱る

「まったく、何をやっているの?」「いつもこうなんだから」と愚痴を言うように叱っても、子どもの記憶には残りません。何がだめなのか、どうすればよかったのか。ある程度「○と×」がはっきりわかるような話をしましょう。子どもから「こういう場合は?」と質問があれば、それについても答えます。○はひとつだけではないということも、伝えるべき大切な内容です。

また、「ながら叱り」もやめましょう。例えば、片付けができないからといって保護者がおもちゃを片付けながら怒るのではなく、まずは集中して話をし、その後に改めて子どもに片付けをさせてみます。一緒に片付けて、片付け方を見せるのもいいでしょう。

2.子どもにも「どうしてこんなことをしてしまったのか」を具体的に説明させる

子どもの行動にも子どもなりの理由があります。「言い訳はしないの」と抑えてしまうのではなく、「どうして」を説明できるよう話を聞く姿勢をもちましょう。自分の中で整理させることも重要です。同時に、子どもがどんなふうに考える傾向をもっているかを学んでいくようにしましょう。

3.他人と比較しない

子どもにはその子独特の考え方があります。自分自身を信じ、人と違ってもいいのだと考えられる大人になるためにも、他人との比較はしてはいけません。「○○ちゃんはこんなことはしないよ」という言い方は避けましょう。

4.場合によっては叱るシーンを選ぶ

子どもはすぐに忘れてしまうから、叱ることがあればその場で叱ったほうがいい…という考え方が一般的ですが、場合によっては時間を置くことも有効です。子どもの記憶力は意外にもしっかりしています。逆に、子どもも感情的になっていれば、直後でも言われたことがうまく頭に入りません。「だめだよね。あとでちゃんとお話ししよう」と落ち着いてから話をするのも一つの方法です。ただし、やはりあまり長い時間を置かないようにしましょう。

5.大きな声を出さず努めて冷静に叱る

「こら!」と大声を出せば、子どもが出そうとした手はひっこむかもしれません。しかし、何度も同じように声をかければ子どもも慣れてしまいます。叱るときにはむしろ冷静に、声は音量を落として。そのほうが子どもも「いつもとは違う雰囲気」を察します。普段との切り替えが重要なのです。

親も感情をもった人間です。怒りの気持ちが抑えられないこともあると思います。うまく叱れなかったと思うときは、あとから「強く言いすぎてごめんね」「ママも本当は違うお話のしかたをしたかったのに、できなかった」と、子どもに謝るようにしましょう。そのような関係でいられれば、子どもは親に強く反発することもありません。「怒る」を徐々に「叱る」に変えていけるよう、少しずつ意識していけるといいですね。

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