「えらいね!」だけではもったいない! 専門家が教える子どもが成果を上げた時の接し方
子どもがテストで目標にしていた点をとった。野球の試合で勝った。そんな時、保護者はどのような言葉をかけるだろうか? 「『えらいね!』『がんばったね!』などのほめ言葉だけで終わらせるなんてもったいない!」と語るのはコーチングのプロ、石川尚子氏。目標達成の瞬間、子どものやる気をさらに促す接し方について伺った。
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少年野球をやっているお子さんのお父さん(Sさん)が、「チームの監督が変わったとたん、子どもたちがイキイキしてきて、チームが強くなってきた」とおっしゃるので、どんな監督さんなのか興味シンシンに。
「試合でミスなどがあってもいっさい責めない代わりに、試合後みんなの前で質問するんです。活躍した子には、
『あのホームランを打った時は、どんな気持ちで打席に入ったんですか?』
『打った瞬間、どう思いました?』などと、プロ野球のヒーローインタビューみたいです。
子どもも照れながらちゃんと考えて答えます。みんなで拍手をし合って、その子をたたえるんです」。
裏方の子どものこともちゃんと見ていて、
「『○○君は、今日もいちばんに来て、準備をしてくれていました。いつもありがとう。今日はどんな気持ちでグラウンドを整えていたんですか?』など光を当ててくれます」。
「質問の内容も
『どんなふうにバットを振ったからヒットになったと思いますか?』
『今までのどんな練習が今回の成果につながったと思いますか?』
『明日からは、どんな練習をしていこうと思っていますか?』
と、勉強になるんです」。
ステキな監督さんですね。
どんな気持ちで取り組んだのかを質問してみんなで認め合うと、本人はより成果を実感でき次への原動力につながります。うまくいかなかった体験にも多くの学びがありますが、うまくいった時こそ、その時の気持ちや要因、次への行動を聴いてあげたいですね。単にほめられるよりもずっとやる気につながると思います。