脱「英語を話せない日本人」! 保護者が知っておくべき、英語教育の大変化【前編】‐加藤由美子‐

中・高・大学と英語を学んでも、多くの日本人は英語を話すことができない——。あまりにも根深いその問題に、ついに国が本気でメスを入れようとしています。文部科学省が検討を進めている大学入試改革全般とともに、英語の入試も大きく変わろうとしています。来たるべき変化に備えて、その当事者となり得る現小・中学生の保護者が知っておくべきこととは? 英語教育研究を専門とする、ベネッセ教育総合研究所・グローバル教育研究室室長の加藤由美子さんに伺いました。



英語の入試改革、キーワードは「4技能」

ご存知のように、2020(平成32)年をめどに大学入試が変わるといわれています。その中で、英語入試のキーワードとして注目されているのが「4技能(聞く・話す・読む・書く)測定」です。これまで問われることのなかった「話す」力も、ついに大学入試で問われるようになるというわけです。
ただ、現時点ではどの入試に4技能が取り入れられるのかは不明です。大学入学希望者学力評価テスト(仮称、大学入試センター試験の後継と言われる入試)なのか、国公立の2次試験なのか、私立入試ではどうなるのか。その可能性は多岐に渡っています。

とはいえ、一部の国立・私立大学では4技能テストを2016(平成28)年度入試から導入することを正式に発表しており、今の高校生ですらまったく無関係とはいえない状況になっています。また、東京大学や京都大学をはじめとした、文科省が高等教育の国際競争力を強化することを目的として重点支援する「スーパーグローバル大学」では、既に学部・学科を問わず、4技能入試を導入しているところもあり、今後さらに増えていくことが予測されます。そういった大学を志望しているかたは、特に志望学部・学科の入試動向を頻繁にチェックしておくことが必要ですね。



大学入試だけじゃない! 中3学力調査や公立高校入試にも「4技能」が導入される!?

実は大学入試の4技能化に先駆けて、中学3年生を対象に英語4技能を測定する「全国的な学力調査」を、2019(平成31)年度から新たに実施することを、文科省が発表しています(文科省が策定した「生徒の英語力向上プラン」の一環)。それにより、学力調査でよい結果を出すために、公立高校の入試でも4技能測定を検討する自治体が増えてくることを、専門家が予測しているのです。公立高校入試の内容は47都道府県でそれぞれ異なりますから、お住まいの自治体の教育委員会の動きを、しっかり把握しておくとよいでしょう。



「英語を話せない日本人」は、もはや冗談で済ませられなくなっている

特にここ10年ほどのグローバル化の進展によって、日本企業の海外進出のみならず、海外から日本に進出してくる企業も著しく増えています。また、外国人労働者も増えています。この流れは今後も加速していくことが予測されますから、今の子どもたちが社会の中心になる20年後、30年後には、多様な国の人と国内でも一緒に仕事をすることが当たり前になっていることでしょう。そして、そうした社会で必ず必要になるのが、これまで入試でも授業でもあまり問われてこなかった、「話す力」と「書く力」です。

既にグローバル化が大きく進んでいるスポーツ界などでは、その傾向が顕著です。たとえば、日本代表の活躍が大きな話題になったラグビーワールドカップ2015では、代表チームのリーチ・マイケル主将が、試合中にレフェリーと英語で意思疎通できたことが勝因のひとつであったと述べていました。また柔道界でも、国際的な場で発言力を高めるために、指導者がイギリス留学して英語力を養うケースなどもあります。

つまり、仕事の本業部分の鍛錬だけでは勝てないほど、英語力……つまり言葉の影響力は大きいのです。社会で生きていくための総合的な力の一部として英語力が必須な時代は、もう始まっています。

【後編】では、学校における英語教育の現状と、子どもの英語学習について保護者が知っておくべきことをお伝えします。


2019年11月1日、文部科学省より2020年度(令和2年度)の大学入試における英語民間試験活用のための「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送ることが発表されました。

プロフィール

加藤由美子

加藤由美子

ベネッセ教育総合研究所 言語教育研究室室長 主席研究員。ベルリッツシンガポールを経て、ベネッセのさまざまな英語事業に携わる。研究部門に異動後は英語教育研究を担当。

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