「井戸端会議」「議論」「対話」 子どもが成長する3つのコミュニケーション
冬休みが近付いてきた。お正月は家族のみならず、祖父母や親戚と一緒に過ごす子どもも多いだろう。そこで、ベネッセ教育情報サイトでは、ベネッセ教育総合研究所・情報企画室長の小泉和義氏に、子どもがさまざまな人とコミュニケーションをとる際のポイントについて聞いた。
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知り合いの大学の先生から「コミュニケーションには3種類ある」というお話を聞きました。
●井戸端会議
仲のよいご近所のかた同士で、日常的なことを思いつくままに話し、周囲はその話につなげて類似した話題を提供したり、あるいは、別の話題を提供したりしながら、会話を続けていくスタイルです。
●議論
一つのテーマや課題を解決するために、参加者それぞれが、それぞれの立場や主張を持ち、自分の主張が正しいと、根拠をもとに論じ合うスタイルです。
●対話
相手の主張をしっかりと理解したうえで、自分の主張と相手の主張をふまえた、お互いにとっての最適解を見つけ出すことを目的としています。そのため、対話の前に抱いていた自分の主張が、対話のあとに変化することもあります。
このうち、これからの社会でより必要となるのは「対話」の力だと思います。少子高齢化が進むこれからの日本では、外国人と一緒に仕事をすることは当たり前になります。育ってきた環境も価値観も異なる人々と、ひとつの課題を解決する作業は、おそらくとても困難でしょう。だからこそ、「対話の力」が重要になるのです。
それぞれ別の価値観を持つ人皆が納得する解決策を出すのは簡単ではありません。相手はいったいどんな価値観を持って、何を目的として主張しているのかをしっかり聞く。自分も、どんな価値観を持って何を目的として主張しているのかをしっかり伝える。そのうえで、お互いが納得できる新しい解決策をそれぞれが考え抜いて見つけ出していくことが必要になります。
これからの社会は、このような、正解のない課題をどう解決するかを、それぞれの立場を踏まえながら、それを越えて考えていかなくてはなりません。その時に必要なコミュニケーションのスタイルが「対話」なのです。