5年後導入予定 新しい大学入試は“AO入試”型!?
安倍内閣による「教育再生」の一環として進められている大学入試。新テストの導入は、約5年後の2020年度からとされているが、新しい大学入試がどうなるのか、なかなかイメージができないのも実情ではないだろうか。そこでヒントとなるのが、中教審答申に記載されている「一般入試、推薦入学、AO入試の区分を廃止」するという言葉。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏が解説する。
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中教審答申を読むと、高校2・3年生で複数回実施する「高等学校基礎学力テスト(仮称)」で基礎的学力を測定し、センター試験に代わる年複数回実施の「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」で思考力・判断力・表現力などを評価したうえで、大学ごとの個別入試では面接・論文などの多様な方法で主体性・多様性・協働性などを評価するという3段階で構想されていることがわかります。
ところが現在の一般入試は、1月中旬に大学入試センター試験、それから私立大学入試、さらに国公立大学入試と続き、各大学の入学試験から合格発表までの期間は1週間程度しかありません。この日程で、中教審答申が提言するような入試を行うことはほぼ不可能でしょう。これが、おそらく多くの人々が今回の大学入試改革が本当に可能なのか疑問に感じる大きな理由になっています。
しかし、その解答は実は中教審答申の中にきちんと書いてあります。一般的にはあまり注目されていませんが、中教審答申は、大学入試の新たなルールを構築する観点から、現行の「一般入試、推薦入試、AO入試の区分を廃止」と明記しています。つまり、これからの大学入試は、試験から1週間程度で合格発表するようなものではなく、選抜にある程度の時間をかけてじっくりと合格者を選んでいく方式、つまり大学入試全体がある種の「AO入試」となっていくということを意味していると思われます。
出典:多様化進む大学入試 「一般・推薦・AO」区分廃止でどうなる? -ベネッセ教育情報サイト